2006 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオボックス遺伝子Msx2をコーティングした骨誘導型インプラントの開発
Project/Area Number |
18791434
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
市田 文孝 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50423140)
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Keywords | Msx2 / 骨芽細胞分化 |
Research Abstract |
直径13ミリのJIS規格第2種純チタン上に、未分化間葉糸細胞株として、C3H10T1/2細胞を培養し、アデノウイルスベクターを用いてMsx2遺伝子を強制発現させた。その結果、Msx2の強制発現により骨芽細胞分化初期のマーカーであるアルカリフォスファターゼ活性が促進された。また、前駆骨芽細胞株のMC3T3E1細胞においても同様の結果が得られた.次に3日齢マウス頭蓋骨より採取した、初代培養骨芽細胞をチタン上にて培養し、アデノウイルズを用いMsx2を強制発現させ、石灰化の指標であるアリザリンレッド染色を用い評価した。その結果、Msx2の強制発現により初代培養骨芽細胞の石灰化は促進された。骨芽細胞分化中期の指標として、オステオカルシンの発現をウエスタンブロット法を用い検討した.その結果、Msx2の強制発現によりオステオカルシンの発現は認められなかった。以上、チタンプレート上での骨芽細胞分化に対するMsx2の役割は、培養プレート上の結果とほぼ同じ結果となった。 次に、細胞増殖能について検討した。C3H10T1/2細胞をチタンプレート上に播種後0,3,5,7日目に接着している細胞をトリプシン処理にて剥がし、クリスタルバイオレット染色後、マイクロプレートリーダーで吸光度測定評価した。その結果、Msx2の強制発現により細胞は増殖傾向であったが、統計学的優位差は認められなかった。 細胞進展能に関しては、細胞播種後0.5〜2.5時間の細胞をアクチン繊維染色したのち、形態観察を共焦点レーザー顕微鏡で行ったところ、Msx2による細胞の進展能に関する変化は認められなかった。 以上の結果をまとめると、ホメオボックス遺伝子Msx2は培養プレート上での未分化間葉系細胞が骨芽細胞へと分化する過程における役割と同じ役割を、チタンプレート上でも担っていることが明らかとなった。
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