2006 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線分光法を用いた摂食・嚥下メカニズムと高次脳機能との関連の解明
Project/Area Number |
18791519
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
平野 薫 昭和大学, 歯学部, 助手 (00384355)
|
Keywords | 嚥下 / 摂食 / NIRS / 脳・神経 |
Research Abstract |
【目的、方法】 嚥下障害の改善に有効とされる様々な嚥下法がある。Super supraglottic swallowは喉頭閉鎖(強い息こらえ)を、Mendelson Maneuverは喉頭挙上を、昭大式嚥下法は喉頭閉鎖・喉頭挙上・舌根の挙上を強調して行いながら嚥下する方法である。近赤外線分光法(NIRS)を用いて、喉頭閉鎖施行時、喉頭挙上施行時、自由嚥下施行時、昭大式嚥下法施行時の大脳皮質の活動部位について検討した。 同意の得られた健常者6名を対象として、頭頂から左右側頭部にかけて合計48chのNIRSプローブを設置し、喉頭閉鎖施行時、喉頭挙上施行時、昭大式嚥下法施行時、自由嚥下にて連続水嚥下、昭大式嚥下法にて連続水嚥下時について大脳皮質の活動部位および脳血流変化量を計測し、加算平均法により検討した。 【結果と考察】 1.喉頭閉鎖施行時:全チャンネルのOxy Hbが大きく減少し、左右前頭回領域においてDeexy Hbが増加した。 2.喉頭挙上施行時:左右の運動野・感覚野においてOxy Hbが増加した。また、左右前頭回領域のOxy Hbが減少し、Deoxy Hbが増加した。 3.昭大式嚥下法施行時:左右の運動野・感覚野においてOxy Hbが喉頭挙上施行時より増加した。また、左右前頭回領域においてOxy Hbが喉頭挙上時より程度は少ないものの減少し、Deoxy Hbは喉頭挙上施行時より増加した。 4.自由連続水嚥下時:左右の運動野・感覚野においてOxy Hbが大きく増加した。 5.昭大式嚥下法にて連続水嚥下時:左右の運動野・感覚野において自由連続水嚥下時より程度は少ないもののOxy Hbが増加した。 喉頭閉鎖によるOxy Hbの減少とDeoxy Hbの増加は、息こらえに伴う低酸素の状態が影響しているものと思われた。その他の所見については、さらに分析数を重ね検討を加えて行きたい。
|
Research Products
(1 results)