2007 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線分光法を用いた摂食・嚥下メカニズムと高次脳機能との関連の解明
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18791519
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
平野 薫 Showa University, 歯学部, 助教 (00384355)
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Keywords | 嚥下 / 摂食 / NIRS / 側頭筋 |
Research Abstract |
【目的】昨年度は嚥下障害の改善に有効とされる嚥下法を施行した際の脳活動についてNIRSを用いた測定・検討を行なったが、その中で被験者に開閉口運動を行なわせた際に本来の脳血流量変動パターンとは異なる変化がみられた。過去の研究報告から側頭筋の分布する範囲にNIRSプローブを設置するため側頭筋活動時の影響が指摘されているが、その関連性について詳細な検討を行なっている報告はない。そのため、側頭筋を自動的・他動的に活動させた際にNIRS測定を行い、脳血流量の変化およびアーチファクトの有無について検討を行なった。 【方法】対象は23〜30歳の健常成人8名で、光トポグラフィー装置ETG-4000のプローブ(合計48ch)を10-20法に従って頭頂から左右側頭部に設置した。被験者の左右耳前部の側頭筋相当部皮膚上にマイオモニターの電極を設置し、他動的な側頭筋の筋活動を行なわせた(4.5μV)。また、自動的な側頭筋活動(タッピングおよびクレンチング)も行い、それそれ安静時の脳血流量との変化をNIRSにて測定した。 【結果】1.全症例において自動的・他動的な側頭筋筋活動と一致したアーチファクトは検出されなかった。 2.マイオモニターによる他動的な側頭筋筋活動では全測定領域でOxy-Hbの明らかな変動は認められなかった。 3.タッピングおよびクレンチングでは運動野を中心とした広い範囲でOxy-Hbの増加を認めた。 【考察】今回の実験ではマイオモニターの刺激を一定にしたが、被験者によって側頭筋筋活動レベルに差が生じ、自動的な側頭筋活動時と他動的な側頭筋活動時との比較ができなかった。頭髪やNIRSプローブがあるため、他動的な側頭活動を正確に行なわせるのは困難であるのが現状であるが、今後その方法の改良などについて検討を加えたい。
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Research Products
(2 results)