2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791530
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
楢本 浩子 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (30410426)
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Keywords | 溶骨性骨転移 / 抗癌剤耐性 / 薬剤トランスポーター / 骨関連細胞 |
Research Abstract |
癌化学療法により、骨浸潤や溶骨性転移をきたした病巣に骨形成が認められることがある。この骨形成現象は、癌細胞と骨関連細胞との薬剤感受性の違いによって生じていると推測される。しかし、頭頸部癌細胞と骨関連細胞の薬剤感受性の違いについては明らかにされていない。本年度は、頭頸部癌細胞ならびに骨関連細胞の抗癌剤感受性と細胞内薬剤濃度を減少させる薬物トランスポーターの発現を検討することを目的として、頭頸部癌細胞としてマウス扁平上皮癌細胞(Sq-1979)と唾液腺癌細胞(NR-PG)を、骨関連細胞としてマウス骨髄マクロファージ(BMM)、破骨細胞(OCL)、骨芽細胞(OB)を用いて以下の研究を行った。培養細胞の抗癌剤(VCR)に対する感受性試験と耐性誘導、RT-PCR法によるABCTmRNAの発現の検討、ABCTのmRNA発現クローン細胞の抗癌剤多剤耐性の検索を行った。抗癌剤に対するIC_<50>は、Sq-1979、NR-PGに比べOBで高値を示した。BMMとOBでは、抗癌剤処理前と処理後のBMMでは、multidrug resistance-associated protein(MRP)7が発現し、multidrug resistance gene(MDR)1とMRP4の発現はみられなかった。OCLではMRP7の発現がみられず,OBでは、MRP2とMRP6以外,すべてのトランスポーターが発現した。NR-PGではMDR1に加え、MRP1の強い発現誘導がみられた。またクローン細胞においても発現に差が認められ、MRP7はVCR処理前に発現がみられないものの、VCR処理によって発現が誘導された。Sq-1979はMDR1に加え、MRP1の強い発現誘導がみられた。VCR処理前にMRP4 mRNAが発現し、VCR処理後に発現の増加がみられた。またクローン細胞においても発現に差が認められた。
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