2006 Fiscal Year Annual Research Report
RANKLシグナルを介した関節リウマチ顎関節破壊機構の解明
Project/Area Number |
18791553
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井澤 俊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (30380017)
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Keywords | 骨免疫学 / 樹状細胞 / 関節リウマチ / 病理学 |
Research Abstract |
関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis ; RA)の骨・軟骨破壊機構については不明な点が多いが、RANKL(Receptor Activator of Nuclear Factor-kB Ligand)シグナルを介した破骨細胞の分化・活性化促進による骨破壊機構が注目されている。一方、RANKLシグナルを介した樹状細胞(Dendritic cell ; DC)の活性化とRA関節病変との関係は知られていない。そこでRAの自然発症モデルMRL/lprマウスにRANKL刺激により活性化したDCを移入することによる関節病変への影響について検討するとともにFasシグナルを介したDCの活性化機構を解析した。Fas遺伝子欠損マウス・MRL/lprマウス鼡径部皮下に1×10^6個のRANKL刺激DCを移入後4週、8週、12週で膝関節の病理組織学的検索、脾細胞および鼡径部リンパ節細胞のフローサイトメーター解析を行った。さらに移入に用いたDCについて対照マウスMRL+/+由来DCとの活性化、生存、アポトーシスおよび各種サイトカインの産生などについて解析した。MRLlprマウス活性化DC移入群では関節におけるリンパ球浸潤、関節滑膜の増生、パンヌス形成、骨破壊を伴う関節病変の増悪がみられ、脾臓および鼡径部リンパ節においてリンパ球の活性化を認めた。移入に用いたRANKL刺激MRL/lprマウスDCはMRL+/+マウス由来DCと比較しDC活性化マーカーであるMHC class II, CD86,CD80の上昇がみられ長期培養での細胞死が抑制されていたことから、生体内でRANKLシグナルによるDCの抗アポトーシス機能を介して関節リウマチの病態が修飾される可能性があることが解明された。
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