2006 Fiscal Year Annual Research Report
新生児敗血症および髄膜炎予防のための母子感染予防ケアシステムの開発
Project/Area Number |
18791691
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
脇本 寛子 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (40336706)
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Keywords | 看護学 / 感染症 / 細菌 / 母子感染予防 / GBS / PFGE |
Research Abstract |
本研究は、Group B Streptococcus(B群溶血性レンサ球菌;以下GBS)による新生児敗血症/髄膜炎発症予防のために、新生児敗血症/髄膜炎発症GBS株と非発症株の異同を明らかにすること、GBS母子感染予防ケアを明らかにすることを目的とした。 平成18年度は、新生児GBS感染症発症例を新たに収集して検討した。得られた症例は、発症例(新生児)10名18株と非発症例母児55組75株(内2名の児にGBSが伝播)であった。発症例の1名は、出生直後から呼吸障害と感染兆候があり残念ながら死に至った。この事例は、出生後に新生児が搬送された経緯があり、母体のGBS保菌や分娩時の抗菌薬予防投与状況などの情報収集が出来なかった。新生児の搬送事例では、新生児の診断やケアに有益である情報が伝達されるようなシステムの構築が必要であると考えられた。 GBS株の異同は血清型とPFGE法を用いた。発症株10名18株の血清型別の内訳は、III型4名5株、Ia型3名8株、Ib型2名4株、JM9型1名1株であり、10名中7名は病原性の強いIII型かIa型であった。非発症株75株の内、母の膣から採取された61株の内訳は、NT型31株、NT6型10株、Ia型5株、Ib型4株、JM9型4株、V型3株、III型2株、II型1株、7271型1株であった。母児共にGBSが得られた2組5株の血清型は各母児で一致していた。 PFGE法では、発症株に対しDNAバンドが鮮明に観察できるPFGE工程条件を検討した。溶菌にlysozyme(5mg/mL)4,000μLとmutanolysin(100U/mL)300μLを併用し、制限酵素はSma Iを用いるとDNAバンドが鮮明に観察できた。今後は、血清型とPFGE法を用いて同一の血清型(特に病原性の強いIa型とIII型)におけるPFGE型の相異、発症株と非発症株の異同を明らかにする。
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