2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学史研究における再現的手法を用いた学際的な科学教育プログラム開発
Project/Area Number |
18800008
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
岡田 努 福島大学, 総合教育研究センター, 助教授 (50431648)
|
Keywords | 科学史 / 再現実験 / 科学教育 / 学際的 |
Research Abstract |
1年目の平成18年度は、研究代表者がかって文献調査等を行っていた「明治期の子供向け読み物」のなかから福島県ゆかりの著述家で明治文化史の研究者として著名な石井研堂の著書『理科十二ヶ月』や『少年工芸文庫』雑誌『小国民』などを調査し、理科教材として再現実験可能なメニューの選定と観察・実験の材料の収集を行い、再現実験に取り組んだ。再現にあたってはかって小・中学校理科教員、科学館勤務経験のある者を講師として招き、明治期の身近な生活用品、材料等の考察を行い、この研究の今後の人的ネットワークの活用方法を見出すことができた。また実際に植物を用いた科学遊びセットを3セット作成し貸し出しを行うことができた。そこに材料の問題、加工の問題、遊具としての運動の仕方など生物学・物理学・諸技術・加工技術・明治の生活など様々な要素を盛り込むことができた。(下記(1)(2)の事例をはじめ、出前講座等でも活用した。) (1)2007年2月22日飯野町(飯野町立大久保小学校・体育館)「わくわくサイエンスショー」で1ブース担当し、本研究の工作体験を実施した。その際に本研究で講師協力をいただいた方々にもアシスタントとして子どもたちや先生方への指導をしていただき、アウトリーチ活動の新たな視点という効果が得られた。 (2)2007年3月11日「子どもと本の講演会-飛ぶタネの秘密-」郡山市(郡山市立安積図書館)での出前講座の際に、春休み期間中の館内体験展示物として科学工作教材をBOX化して、展示できるようにし、春休み期間中に貸し出した。 また本研究の方向性や今後の方針を明確にするため、代表研究者のこれまでの取り組みや本研究との関わりをまとめた論文「科学史の再現実験の手法を取り入れた科学教育プログラムの実践-社会科・理科・技術科との関わり」『福島大学総合教育研究センター紀要』第2号,2007年,pp.17-24。を執筆した。 ※注:本研究では、著名な科学者等が行った実験研究や科学啓蒙書等の中で紹介された観察・実験・工作等をその時代の材料に可能な限り忠実に再現し、考察することで、科学が当該時代の技術や文化、歴史、社会等と密接に関わっているという視点を明確にし、その上でこの再現的手法を用いて得られた学際的な視点を小中学校、高校あるいは生涯学習施設等で行われる科学教育プログラムとして提供し、活用することを目的とした。 しかし同補助金の交付決定が10月上旬であったこと。また研究代表者の研究室の引越し作業がこの期間にあたってしまい、新研究室の立ち上げと本研究に必要な物品の購入や資料収集等の諸計画が当初の予定より大幅に遅れてしまったことから上記のように計画を変更せざるを得なかった。
|
Research Products
(1 results)