2006 Fiscal Year Annual Research Report
筋発揮張力維持法を取り入れたレジスタンストレーニングが動脈・血管系に与える影響
Project/Area Number |
18800088
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
谷本 道哉 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進プログラム, 特別研究員 (70435733)
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Keywords | レジスタンストレーニング / 筋発揮張力維持法 / 筋肥大 / 動脈コンプライアンス / 動脈スティッフネス / 動脈血流量 |
Research Abstract |
本研究の目的は、比較的軽負荷強度で行う筋発揮張力維持法(Low-intensity resistance exercise with slow movement and tonic force generation : LST)を用いたレジスタンストレーニングの動脈・血管系に与える影響について調べることである。本年度は当初19年度に実施予定であった以下の運動介入研究を行った。 被験者および運動介入 被験者は定期的な運動習慣・喫煙習慣のない男子大学生 (1)LST法を用いた全身のレジスタンストレーニングプログラムを行う群(LST群) (2)高負荷を用いた通常の全身のレジスタンストレーニングプログラムを行う群(HN群) (3)運動を行わない対象群(CON群) の3群、各12名、計36名を用いて週2回・3ヶ月間の運動介入を行った。 結果 LST群においてHN群と同等の有意な筋肥大と筋力増強効果を認めた。動脈の硬化度の指標である頸動脈、大腿動脈のコンプライアンス、スティッフネスは介入期間前後でいずれの群においても有意な変化は認められなかった。また動脈硬化度の別の指標である脈波伝播速度(PWV)はLST群においてのみ有意な低下(硬化度の改善)が認められた。PWVは末梢動脈の要素も含むため、頸動脈、大腿動脈のスティッフネスの結果と一致しなかったものと考えられる。抹消の血流量は、大腿動脈の血流量がLST群ではHN群と同等の有意な増加を認めた。また、CON群においてはいずれの測定指標においても実験期間前後に有意な変化は見られなかった。 以上より、週2回・3ヶ月の運動介入では、LST、HNともに末梢血流を改善するとともに筋肥大・筋力増強を達成できると考えられる。 現在、上記結果を数本の論文にとりまとめ、学術雑誌に投稿準備を進めているところである。
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