2006 Fiscal Year Annual Research Report
個体の行動及び個人保護具による新興感染症予防に関する理論疫学的研究
Project/Area Number |
18810024
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西浦 博 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (70432987)
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Keywords | 危機管理 / 感染症 / モデリング / 統計的モデル論 / 生物統計 |
Research Abstract |
天然痘・肺ペスト・インフルエンザの3つの感染症について文献整理・統計データ収集を実施した。分析に利用する流行データを入力し、特に有用なものは個別データベースとして構築する作業を継続している。天然痘については、ヒト行動に関して詳細に記述されたデータを利用して時系列の流行動態分析を行った。時系列での天然痘2次感染者数の分布がヒト行動にどのような影響を受けているのかを定量的に検討した。また、天然痘の個人予防の効果について統計学的推定が可能なモデルを構築した。対象とする天然痘流行データの特定・入力を終了し、数値解析を実施している。肺ペストに関しては、病期ステージに対する感染性の変化を推定する新しい統計モデルを開発した。インフルエンザ研究では、特にスペイン風邪(パンデミックインフルエンザ)について他疾患の歴史統計と共に潜伏期間推定を実施した。インフルエンザの潜伏期間を推定する上で重要な統計学的問題を特定した。天然痘に関する論文1編は執筆中、肺ペスト及びインフルエンザの両論文原稿は現在、国際誌の査読を受けている。 また数理モデルの基礎的発展として、空気感染の想定を施したモデルについて個体群動態を想定した感染症数理モデルに取り込む分析を実施した。観察データに応用するために、同モデルは定性的分析だけでなく統計学的推定を目的とする定量的拡張を行っている。計数過程とマルチンゲール法を利用することにより、感染率や隔離率を置き換えた空気中の微粒子飛散度合に関する推定量を簡便に得るモデルを構築している。
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