2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18820045
|
Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
RUGGERI Anna 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (20410996)
|
Keywords | 白隠慧鶴 / 禅の教育 / 公案 / 大死 / 四智辨 / ハンス・キュング / 平和 / 『遠羅天釜』 |
Research Abstract |
昨年度(平成18年)は、大きく白隠慧鶴の研究を深めた。白隠の墨蹟についての資料を幅広く増やし、それを検討した上で、白隠の研究を続け、結果として、国際禅学研究所(花園大学)の依頼に応え、『花園大学国際禅学研究所論叢』第二号に「白隠の唯識観--『四智耕』を通して-」(平成19年3月)という論文を掲載した。 また、白隠の思想を様々な現代の社会問題に適用するにあたって、京都派の哲学者・思想家(西田幾多郎、西谷啓治、久松真一、上田閑照等)の資料を集め、彼らと禅の根本概念の関連を分析した。その結果として、宗教倫理学会の第7回学術大会(平成18年度10月14日)において「現代における禅の新たなパラダイム-久松真一の宗教・哲学をめぐって-」を発表した。 さらに、教育の問題と禅の関連とその実践について探求し、その結果、本学の外国語教育システム研究会において「教育と宗教の関連とその重要性-禅の役割を通して-」という研究発表をし、様々な研究者と貴重な意見交換ができた。その成果を具体的な形にして、本学の『研究論叢』に2回に亘り研究論文を掲載した。(「禅の教育と体験の重要性(1)-公案の修行を通して-」LXV皿号、2006年7月31日;「禅の教育と体験の重要性(2)-大死を通して-」LXIX号、2007年7月発行予定)。 また、禅とキリスト教の比較研究にっいて、京都大学の現代キリスト教思想研究会において数回に亘り発表し、他の学者との議論によって広く研究を深めた。その結果、『アジア・キリスト教・多元性』第4号(2006年3月)の次に第5号(2007年3月)に論文を掲載した。 また1年に亘り、白隠の作品の伊訳を続け、『遠羅天釜』の翻訳完成を目指し、平成20年までにイタリアの出版社によって出版する予定である。
|