2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然科学系博物館におけるバースデー・プログラムに関する研究
Project/Area Number |
18830051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 麻記 九州大学, ユーザーサイエンス機構, 学術研究員 (70432888)
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Keywords | 自然科学系博物館 / バースデー・プログラム / お誕生日 / 博物館教育 / 教育プログラム |
Research Abstract |
平成18年度の研究から下記の点が明らかになった。 1.国内におけるバースデー・プログラム(以下BDP)に関する現状 (1)日本の博物館(美術館含む)において、来館者向けのBDPは現時点では実施されていない。 動物園などで人気の動物のお誕生日を祝う企画や付属のレストランにおいて子どものお誕生日を祝う特別メニューのサービス有(青山こどもの城)。 (2)平成19年7月には、日本でははじめて海遊館(大阪)がイルカと一緒に泳いだり、お気に入りの動物に餌をあげるなどの「あなたの夢叶えます!」という企画にお誕生日プログラムを組み込む動き。 (3)BDPのニーズはあるが、日本では企業や大人向けの夜間のパーティーやウェディング・パーティーが主。 2.海外における先進事例調査(オーストリア、米国) (1)オーストリアのウィーン動物園、ウィーン自然史博物館、テクニカル・ミュージアム、MINOPOLIS(キッザニアと同じく、こどものための職業体験をテーマとした街)など、子ども向けの主要なミュージアムでは、BDPは年間を通じて実施。 (2)ウィーンでは、BDPは、親側がパーティー準備などを自宅でしなくてもよいという便利さと子どもたちの教育のためにもよいという理由で人気。 (3)プログラムの内容については、各ミュージアムによって様々でいくつかのタイプに分類できる:プログラム充実型:ウィーン動物園など独自にプログラムのキットを開発するなど工夫。エンターテイメント重視型:パーティールームなどの飾り付けの工夫・部屋の増設をしているMINOPOLISなどの事例。"Take Home"おみやげ付のタイプなど。 (4)米国のバースデー・プログラムの傾向としては、友の会会員に限定し、友の会登録・BDP利用という二つのサービスからの収入を獲得。 (5)必ずしも自己収入につながらないが、年間に大多数の来館者によって支持されているという事実が、プログラムの継続実施に寄与(スミソニアン動物園)。
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