2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナショナルイノベーションシステムにおけるバックワードリンケージの有効性の実証研究
Project/Area Number |
18830081
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
井口 知栄 立命館大学, 経営学部, 専任講師 (20411209)
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Keywords | ナショナルイノベーションシステム / バックワードリンケージ / 多国籍企業 |
Research Abstract |
平成18年度に行った調査準備の段階から、マレーシアでの現地調査を行った平成13年14年と、多国籍企業子会社の戦略が大きく変化していることを察していた。以下の点について、平成18年度の研究により明らかになった。 文献研究について: 発展途上国のNIS(National Innovation System)に関する文献研究をし、NISの中のInstitutional Frameworkとしてのバックワードリンケージの役割について理論構築を行うことを目的としていた。ところが、バックワードリンケージの役割を追及していく場合、多国籍企業子会社のフォーワードリンケージ(海外戦略、地域戦略等)との関連が強いことが明らかとなり、多国籍企業子会社が与えるバックワードリンケージであるからこそ、多国籍企業子会社の戦略の研究が追加的に必要である。 TNC子会社のR&Dのグローバル化、及びR&Dのような重要な部門のDecentralizationが与えるホスト国への効果についての実証研究をするために、発展途上国のTNC子会社発展論(Subsidiary Evolution)へと発展させる試みについては、6割ほど文献研究を完了させた。しかし、現時点において、ヨーロッパ地域で積極的に研究されている分野であるため、平成18年、19年に新しい英語の文献が出版されている。ここ2年間のジャーナルの追う必要がある。 質問表の構築について: 多国籍企業の戦略が平成13年14年時と大きく変化していることが明らかとなり、質問表の再構築が必要である。3月の調査の時点では、Open Question型で調査を行った。 第1回マレーシア現地調査について: 期間の関係で当初の予定の18日間は確保できず、14日間調査を行った。今回はセランゴール州にある日系企業と台湾企業をインタビュー調査した。平成13年14年には1日3社の訪問が可能であったが、日本からの連絡となるとなかなかアポイントメントが取れず1日1社が限界であった。しかしながら、ここ数年で在マレーシア多国籍企業子会社の役割が大きく変化していることを把握するきっかけとなった。同時に、現地サプライヤーへの影響が弱くなっている可能性があり、平成19年度の調査では、その点について明らかにすると同時に、文献研究での理論との整合性を試みたい。
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Research Products
(3 results)