2006 Fiscal Year Annual Research Report
蓄積された観測データに用いる太陽活動現象自動検出システムの構築と活用
Project/Area Number |
18840048
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
成影 典之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 宇宙航空プロジェクト研究員 (50435806)
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Keywords | 太陽物理学 / 宇宙天気 |
Research Abstract |
本年度は、2006年9月に打ち上げられた「ひので」衛星搭載のX線望遠鏡のコアメンバーとして、衛星の運用と、X線データ解析用ソフトの作成を行い、初期観測データを用いて、太陽コロナの温度診断を行った。X線望遠鏡は、温度感度の異なる9種類のX線観測用フィルターを持っており、2種類以上のフィルターを用いて同時観測を行うことで、コロナの温度とエミッションメジャー(密度の2乗×体積)を見積ることが出来る。「ひので」衛星のX線望遠鏡は、「搭載フィルターの温度感度が様々なコロナ構造の温度診断に最適化されている」こと、「CCDの感度・S/Nが優れている」こと、「短時間での撮像が可能になった」ことにより、太陽活動の活発な活動領域から、太陽活動の穏やかな静穏領域まで、高空間・高時間分解で温度を求めることが可能になった。私は、この望遠鏡で得られたデータを元に、日々の太陽全面の温度変化を調べる研究を行った。 まず、科研費で購入したワークステーションを用い、日々得られる膨大な観測データのデータベースを作成し、簡便にデータを閲覧することが出来るソフトウェアを作成した。そして、これらを元に、自動的に毎日の太陽全面温度を見積るシステムを構築した。 太陽全面の温度分布とその時間変化は、太陽コロナでどのようにエネルギーが解放されているか(コロナ加熱問題)を解明する大きな手助けになる。私は、太陽全面の温度分布から、コロナを構成する構造は、温度とエミッションメジャーを用いることで分類できることを発見した。結果は、論文としてまとめている最中である。
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