2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18850001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 貢生 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (00431346)
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Keywords | ナノギャップ金属構造 / 電子線リソグラフィー / 光電場増強 / 局在表面プラズモン / 表面増強ラマン散乱 / 金2光子励起発光 |
Research Abstract |
ガラス基板上に電子線リソグラフィー/リフトオフ法により、ナノギャップ金ダイマー構造を作製し、金二光子励起発光、および表面増強ラマン散乱(SERS)分光法により光電場増強効果について検討を行った。なお、作製したナノギャップダイマー構造のナノブロックサイズは、100x100x40(nm^3)であり、ギャップ幅は、数nmから100nmと任意のサイズ(1nm刻み)で設計を行った。フェムト秒レーザーを励起光源(λ=800nm)として、高開口数の対物レンズ(x100,N.A.=1.25)を用いて構造に集光照射し、得られた2光子励起発光を分光計測器、および光電子増倍管により検出した。発光強度はギャップサイズが20nm以下になると飛躍的に増大して行き、ギャップサイズが小さくなればなるほど増強することが明らかになった。FDTDシミュレーションによる空間電場強度分布の解析から、電場強度はナノギャップ近傍で入射光電場強度の10^4倍ほど増大しており、上記の実験結果はナノギャップ近傍の金のエッジから強い発光が放出されたことが考えられる。したがって、FDTD解析から見積もられるように、ナノギャップ金ダイマー構造の2光子励起発光強度は、ギャップサイズが小さくなるほど増強することが明らかになった。一方、上記と同じ構造に、4-アミノピリジン分子を分散させ、SERSスペクトルを測定したところ、金2光子励起発光と同様に20nm付近から、ギャップサイズが減少するとともにSERS強度の増大が観測された。ここで、特筆すべき点はギャップサイズが1nmではなく、5〜6nm付近でSERS強度が極大にいたる点である。他の分子を用いても同様の結果が得られたことから、2光子励起発光の実験結果とは異なり、SERS強度は単純に光電場増強だけではなく、ナノギャップのサイズや形状などの構造設計によっても大きく変化することを実験的に明らかにすることに成功した。これらの結果を踏まえて、次年度の光電場増強機構の解明に展開する。
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Research Products
(1 results)