2006 Fiscal Year Annual Research Report
少量の潤滑油を混入した超臨界流体の伝熱特性の実験測定と理論解明
Project/Area Number |
18860021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
党 超鋲 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (30401227)
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Keywords | 超臨界流体 / 潤滑油 / 流動様式 / 数値計算 / 可視化 / 実験測定 / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 |
Research Abstract |
本研究では、超臨界圧CO_2への潤滑油(CO_2と部分相溶性あるのPAGオイル)の二相分離状態、流れパターンおよび熱伝達率、圧力損失特牲について可視化観察、実験測定を実施し、その超臨界圧条件における潤滑油の挙動を明らかにすることが目的である。また、自由界面数値解析手法を用いて、超臨界状態における流動様式の遷移を理論的に解明し、潤滑油が混入した状態での流動及び伝熱特性を系統的に把握することを試みしている。 18年度には実験装置を製作し、超臨界圧流体と潤滑油との流動様式の可視化観察が成功した。超臨界流体の物性の温度、圧力依存性と潤滑油への超臨界流体の溶解度の温度依存性により、超臨界流体と潤滑油と混合した状態における流動様式が複雑であり、従来の二相流流動様式線図及び予測式を用いた予測が不可能であることが分かった。また、実験結果により、細管(2mm)においては、温度上昇につれ流動様式は噴霧流、環状噴霧流、環状流と遷移する。伝熱性能の測定結果から、高温領域において噴霧流の形成による伝熱抵抗のため熱伝達率の低下が確認した。また、太い管(6mm)の可視化結果から、低流束領域においては波状流及び波状噴霧流になり、高流束領域では環状流が形成する。そのため、低流束条件での伝熱性能の低下が見られないが、高流束において急激な低下が見られた。 複雑系の流動及び伝熱性能を予測するための自由界面数値計算手法の開発が望まれている。本研究では、LEVELSET法を用いて超臨界流体と潤滑油との流動様式の遷移について計算し、管内流動のケルビン・ヘルムホルツ不安定問題に本手法を適用し、界面成長の過程の数値解析を行った。温度、圧力が変化した場合における超臨界流体の密度変化により、界面成長の様子が異なり、ケルビン・ヘルムホルツ不安定の臨界速度も大きく変化することが計算から明らかにした。
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Research Products
(1 results)