2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18880017
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 将紀 神戸大学, 農学部, 助手 (00432550)
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Keywords | イネ / ウンカ / 殺卵遺伝子 / 形質転換 / DNA塩基配列 / アソシエーション解析 |
Research Abstract |
分げつ期の日本型イネにウンカ類(セジロウンカ,トビイロウンカ)が産卵すると,殺卵活性をもつ安息香酸ベンジルを含む分泌液で細胞間隙が満たされた液浸化が誘導される.その結果,卵が高率で死亡し,ウンカ類の増殖が抑制されることが明らかになっている.これまでにセジロウンカに対するイネの殺卵遺伝子Ovc(Ovicidal gene)を同定し,イネの染色体6上に位置付け,約40kbの領域に絞り込んでいる.Ovcは殺卵特性の発現に必須であり,昆虫の産下卵を殺す植物の遺伝子として初めて報告されたものである,イネの殺卵特性の遺伝的機構の解明のために,Ovcの単離を試みた. 1.日本型イネ品種「日本晴」由来で,Ovcを保有する1つのBAC(Bacterial Artificial Clone)クローンからいくつかの候補遺伝子についての形質転換ベクターを作成した.次にこのクローンをAgro bacterium法により,SL23(「日本晴」を遺伝的背景とし,Ovc領域がインド型イネ品種「Kasalath」(Ovcをもたない)に置換した系統この系統は殺卵特性を示さない)に導入する形質転換を行い,目的の形質転換植物の殺卵特性を調査した.現在まで相補した形質転換植物は観察されていないが,引き続き実験を進めている.一方,OvcのcDNAと発現解析は現在進行中である. 2.Ovcを保有する日本型イネ品種「日本晴」と「あそみのり」,ならびにOvcをもたないインド型イネ品種「Kasalath」と「IR24」におけるOvc候補領域約40kbのDNA塩基配列をそれぞれ決定した.SNP(Single Nucleotide Polymorphism: 1塩基多型)やDNA配列の挿入/欠失が見いだされ,Ovcの変異となり得るDNA変異箇所をいくつか特定し,更にアソシエーション解析の結果からDNA変異箇所を絞り込んだ.
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