2006 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍における血管新生および腫瘍微小環境因子の発現解析と抗血管新生療法の開発
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18890037
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂東 裕子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (00400680)
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Keywords | 血管新生 / 乳癌 |
Research Abstract |
本研究は、悪性腫瘍を対象に腫瘍血管新生・リンパ管新生のKey RegulatorであるVEGF/VEGF receptor familyを中心に腫瘍微小環境因子の発現バランス解析を行い、予後および各種抗腫瘍療法・抗血管新生療法の腫瘍効果予測因子としての意義を検討するものである。 H18年度は悪性腫瘍における抗腫瘍療法による細胞増殖抑制効果とVEGF/VEGF receptor familyおよび腫瘍微小環境因子の発現変動に関して臨床検体を用いた解析を中心に行った。 乳癌細胞株(ホルモン感受性、非感受性株)を用いた検討で、内分泌治療薬や抗腫瘍剤が腫瘍細胞に及ぼす影響についてRT-PCR及びELISA法を用いて検討した。血管新生関連因子の発現はホルモン受容体の有無とホルモン治療により大きく変動する知見が得られている。 当施設の原発性乳癌約200症例に対し腫瘍組織を用いてVEGFA, C, D, soluble VEGFR-1, VEGF-R1, -R2, -3および腫瘍微小環境因子について免疫組織化学的手法を用いて発現を解析した。現在臨床データと比較し予後因子としての意義、および抗癌剤・内分泌療法に対する治療効果予測因子としての意義を検討中である。今後、得られたデータをもとに、血管新生関連のみならずマトリクスメタロプロテナーゼ等、他の環境因子の発現解析や、新たな症例の組織を用いてプロスペクティブに治療効果予測因子に関する検討および、検討結果の発表を予定している。
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