2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳房外パジェット病の転移浸潤におけるTWISTの役割
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18890072
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石井 貴之 金沢大学, 医学部附属病院, 医員 (90420330)
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / TWIST / パジェット |
Research Abstract |
乳房外パジェット病におけるTWISTの発現と転移・浸潤能との関係を翻べるため、乳広外パジェット病20例、アポクリン腺癌3例の検体に対してTWISTの免疫組織化学染色を施行し、蛋白レベルでの発現強度を比較してみた。組織学的に浸潤を伴った症例を選び、免疫染色については、TWIST(C-末端とN-末端の2租の抗体を使用)とE-cadherinの染色を行った。E-cadherinの発現はTWISTにより抑制され、浸潤癌においてはE-cadherinの発現が抑制され、TWISTの発現が強くみらえるという、両者の発現の逆相関を予想した。原発巣について検討したところ、TWIST・E-cadherinともに同程度の発現がみられ、発現強度は相関していた。また、大部分の症例で両者の発現が確認された。TWISTのC-末端とN-末端の2種の抗体による染色性の違いは認めなかった。次に同様の検討を転移リンパ節に対して行ってみたが、同様にTWIST・E-cadherin両者の発現を認めた。つまり、浸潤病変については原発・転移リンパ節・転移皮膚ともにTWISTとE-cadherinが発現しているという結果となった。これらの発現強度を詳細に比較すると両者ともに発現している症例がほとんどであるが、E-cadherinよりもTWISTの発現強度が強い傾向が見られた。原発巣のTWISTの発現量による転移の有無との明らかな相関は得られなかった。 乳癌ではTWISTのメチル化が腫瘍の転移能と関連することが示されており、今後、Methylation-specific PCRを用いたTWISTのメチル化解析およびSnail、E-cadherin、erbB-2、Androgen receptorの発現レベルとTWISTの発現との相互関係を解析していく予定である。
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