2007 Fiscal Year Annual Research Report
連鎖球菌が持つCD59指向性コレステロール依存性細胞溶解毒素の作用機構
Project/Area Number |
18890127
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田端 厚之 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (10432767)
|
Keywords | 連鎖球菌 / コレステロール依存性細胞溶解毒素 / ILY / Sm-hPAF / huCD59 / コレステロール / 作用特性 |
Research Abstract |
コレステロール依存性細胞溶解毒素(CDC)に属しながらヒト型CD59(huCD59)指向性を示すインターメディリシン(ILY)及びStreptococcus mitis-derived human platelet aggregation factor(Sm-hPAF)の作用機構解明を目的とし、特に毒素分子側の要因に関する検討を行った。 CDCの細胞傷害活性にはドメイン4に存在する11merアミノ酸が寄与していると考えられていることから、Sm-hPAFの11merアミノ酸を厳密なhuCD59指向性を示すILYの対応アミノ酸と交換した変異体(Sm-hPAF/ILY11)を作製した。この変異体の作用特性について、正常生体細胞系(赤血球)及び培養細胞系で評価した。その結果、各動物由来の赤血球に対する溶血活性では、Sm-hPAF/ILY11はSm-hPAFと比較してヒト赤血球指向性が向上する傾向が確認された。また培養細胞系では、huCD59非発現型のU-937 DE-4においてSm-hPAF/ILY11に対する感受性がSm-hPAFよりも低下する傾向が確認された。しかしながら、上記の各特性変化はILYには及ばなかった。以上より、ILYの厳密なhuCD59指向性はllmerアミノ酸のみに規定されているのではなく、11merアミノ酸領域以外もしくはllmerアミノ酸領域を含んだ広範な領域で規定されていることが示唆された。なお、現時点ではSm-hPAFの結晶構造は明らかではないため、今後検討を進めるにはSm-hPAFの立体構造情報が必要である。 また、今年度行う予定であったモデル膜系での検討については、huCD59の精製が予想以上に困難で精製方法の確立には至らなかったために実施できなかった。現在、huCD59の精製を効率化するためにタグを付加したhuCD59変異体発現系を構築中である。
|
Research Products
(3 results)