2019 Fiscal Year Annual Research Report
Robust terrestrial photovoltaics in space: High-efficiency radiation-resistant CIGS sol ar cells
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18F18358
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
杉山 睦 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (40385521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN TZU-YING 東京理科大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | CIGS太陽電池 / 宇宙用太陽電池 / 放射線耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽電池を宇宙空間に輸送するためには、その重量と大きさを極力抑える収納性を高くする必要がある。これらを同時に解決する方法の一つとして、インフレータブル構造へ適用可能で、人工衛星などに広く用いられている軽量フレキシブルな基板を用い、CIGS太陽電池を作製する必要がある。平成31年度(2019年度)は、これまで研究代表者が行ってきたフレキシブルTi薄膜基板上にCIGS太陽電池を、放射線照射や熱サイクル試験など、過酷な宇宙環境下での使用を想定した耐久試験を行ってきた。 対放射線特性は、予め半導体中の欠陥の種類と量をコントロールして太陽電池を作製に対し、人工衛星軌道での被曝量で数十年程度の放射線(電子線・陽子線)を照射すると、かえって太陽電池の特性が向上する「放射線ソーキング効果」を明らかにし、従来の宇宙用太陽電池より数十~数百倍耐久性が高い、宇宙用太陽電池を実現することができた。また、アルカリ金属をドーピングしたCIGS太陽電池が、放射線照射後も発電効率が低下しない原因について定性的に解明することが出来、それらの知見を太陽電池製造にフィードバックすることが出来た。 熱サイクル特性は、3-5分を1サイクルとし、-20℃-70℃の温度急変サイクルを6000回程度行ったが、各層の熱膨張係数や付着性を検討することで、膜の剥離・クラックの発生や発電効率低下が見られないような太陽電池を作製することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
◆ 申請時に計画したフレキシブルCIGS太陽電池の放射線耐久性の目標値(宇宙空間で数十年以上)を期間内に達成できたことから、本課題は順当に進展しているといえる。
◆ アルカリ金属をドーピングしたフレキシブルCIGS太陽電池に内在する欠陥について、定性的に解明することが出来、それらの知見を太陽電池製造にフィードバックすることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
宇宙環境で太陽電池を安定して使用するためには、強い放射線や、寒暖差200度以上の急激な熱サイクルに耐えなくてはならず、また振動等打ち上げ時の環境に耐える必要がある。これまで、フレキシブル基板上に作製したCIGS太陽電池の、宇宙環境下での耐久性に関する国内外の研究報告例は無い。 3年目である令和2年度(2020年度)の研究では、これまで2年度分の研究成果を引き継ぎ、高効率でより劣化しにくい構造・材料・作製プロセス等の最適化を図る。光吸収層の組成変化や、アルカリ金属添加、熱・光照射プロセスなど、これまで得られた高効率化技術の知見を応用し、軽量高効率で劣化しにくい太陽電池の積層作製プロセスを提案し、より長寿命な太陽電池を実現するための半導体基礎物性を明らかにする。
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Research Products
(12 results)