2019 Fiscal Year Annual Research Report
Thermal energy trap by a surface phonon polariton cavity
Project/Area Number |
18F18725
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野村 政宏 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (10466857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GLUCHKO SERGEI 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-07-25 – 2020-03-31
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Keywords | 熱伝導 / フォノン / ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコン薄膜に電子線描画やドライエッチング装置を用いてナノ構造を作製し、ナノ構造化がフォノン輸送および熱伝導に与える影響を評価した。また、その知見に基づいて、ナノ構造化による熱伝導制御の新技術開発を行った。主な研究実績は大きく2つに分けられる。 ① 非対称ナノ構造を形成したシリコン薄膜による熱伝導の異方性検討:強く空間対称性が破れた構造をシリコン薄膜に形成し、熱流方向によって熱伝導に差が出るかどうかの実証実験に挑戦した。円孔と比較して、切り込みをいれた場合、フォノンの散乱効果が強くなるため、熱伝導率の低下が顕著になることが観測された。本成果はApplied Physics Lettersに出版され、欧州の国際会議で発表された。 ② シリコンナノコーン構造の導入に熱伝導制御法の開発:シリコン薄膜中にナノ構造を導入することで熱伝導制御を行う方法が一般的であるが、熱フォノンはシリコン表面で散乱を受けることで、面内輸送を変化させるため、ナノ構造を表面に導入することでも熱伝導制御が可能なはずである。この予想に基づいて、ドライエッチング条件を制御しナノコーン構造を導入することで、フォノンの後方散乱を強化することを試みた。その結果、シリコン薄膜にナノコーン構造を導入するだけで、熱伝導率が50%程度にまで大幅に減少させられることを実証した。このプロセスは、あらかじめ電子線描画などのプロセスが不要な、セルフマスキングプロセスであり、安価で大面積なプロセスである。したがって、スループットが要求される応用に適した、低熱伝導率化手法を見出すことができたと言え、熱電変換デバイス開発などへの応用が可能である。本成果は、ACS Appl. Mat. & Int.に発表された。本論文のインパクトファクターは、8.1であり、本研究の重要性は高いと言える。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)