2018 Fiscal Year Annual Research Report
Low-dimensional Topology: Knotted surfaces as real algebraic varieties
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18F18751
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鎌田 聖一 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60254380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BODE BENJAMIN 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | トポロジー / 結び目 / 曲面結び目 / 実代数的絡み目 / ブレイド |
Outline of Annual Research Achievements |
代数的絡み目は代数曲線の孤立特異点の周りに現れる絡み目であり、古くから研究され多くのことがわかっている。代数的絡み目に対応する概念として、実代数的絡み目がある。これは、実4次元空間から実2次元空間への多項式写像の孤立特異点の周りに現れる絡み目である。特別研究員のBenjamin Bodeはこれまでの研究において、等質という性質を満たすブレイド(homogenious braid)の平方(自乗)で表される絡み目は実代数的であることを示していた。今回、その時の議論を再検証することで、等質ブレイドという条件をある程度緩めても同様の結果が成立することがわかった。そして、次数が3のブレイドにおいて、このように条件を緩めたブレイドの無限列を構成することに成功した。これにより、実代数的絡み目の新しい無限列の構成ができた。この議論は、ブレイド群のp進整数への作用(ブレイドの共役変形及び安定化変形で不変である性質をもつ)を調べて、一つのプレイドからそれに固有なブレイドの族を構成するという議論から派生している。 この結果は論文にまとめarXiv(arXiv:1903.06308)でインターネット上に公開している。また、2019年1月に北京大学(中国・北京)で開催された国際会議「The 14th East Asian School on Geometric Topology」、及び、2019年2月に慶北国立大学(韓国・大邱)で開催された国際研究集会「2019 KMJ Conference for Accreditation Strategies & Winter TAPU Workshop on Knot Theory」で、研究成果の発表をBenjamin Bodeが行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
等質ブレイドの平方(自乗)という特別な対称性をもつケースについて実代数的絡み目であることがわかっていたが、その議論を見直すことで対称性が少し崩れた場合にも実代数的絡み目を構成することができることがわかり、そのような無限列も構成することができた。国際会議でBenjamin Bodeによる発表も行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は等質ブレイドの条件を少し緩和しても実代数的絡み目が得られることがわかったが、この拡張が本質的に限界であるとは思われない。別の角度からも従来の構成方法を拡張できる可能性があるため、その方向での検討を行っていく必要がある。実代数的絡み目を引き続きブレイドの観点で研究する。多項式の次数を制限した場合に現れる絡み目の研究、2次元ブレイドの多項式写像での実現問題にも取り組みたい。
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