2018 Fiscal Year Annual Research Report
Commutative algebraic study of hyperplane arrangements
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18F18756
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉永 正彦 北海道大学, 理学研究院, 教授 (90467647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PALEZZATO ELISA 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2021-03-31
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Keywords | 超平面配置 / 自由性 |
Outline of Annual Research Achievements |
超平面配置の代数的な性質として「自由性」という概念がある。超平面配置の組み合わせ論的応用や位相的構造を調べるうえでも重要な概念である。ここ数年、Alexandru Dimca氏、Gabriel Sticlaru 氏、阿部拓郎氏らにより、自由配置ではないが、その次に重要だと思われる超平面配置のクラスがいくつか導入されている(Nearly free, Plus-one generated (PO配置))。今年度は、PO配置の代数的な性質と超平面配置のヤコビイデアルの準素イデアル分解に現れるembedded primeの関係を調べた。また多くの例の計算をコンピュータによる計算で実行した結果、「PO配置に一枚超平面を付け加えることで自由配置にできる」という作業仮説がもっともらしいという結論になった。これは、阿部による低利「自由配置から一枚除いて得られる配置は、自由配置かもしくはPO配置」という結果のっ逆に相当するもので、PO配置の特徴づけといえる。吉永、Michele Torielli, Tan Nhat Tran等と、証明に向けた議論を進めた。 国内で4件の口頭発表を行った。内容は、有理数体上定義された超平面配置の自由性と mod p して得られる超平面配置の自由性の関係に関する結果と、計算代数プログラムCoCoAの紹介を兼ねたものである。12月には、ジェノア大学のA. Bigatti氏を訪問し、計算代数プログラムCoCoAに関する研究打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外国人特別研究員を2018年10月に開始し、今年度の活動期間は半年であったが、計画通り、PO配置の代数的研究を進め、今後解決するべき作業仮説(予想)を定式化した。また、国内で4回の研究発表を行うなど、研究活動全般的におおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、PO配置の代数的な性質に関する研究を進める予定である。特に昨年度定式化した「PO配置は必ず自由配置から一枚超平面を除くことで得られる」という結果の検証を目標とした研究を理論面、コンピュータによる具体例の検証の両面から進める。コンピュータによる実験により、様々な新しい現象が見つかることも期待している。 6月にカナダである計算機代数の研究集会をはじめ、内外のいくつかの研究集会に出席し、最新の研究成果に関する情報収集および関連する研究者との議論、成果発表を行う予定である。
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Research Products
(8 results)