2018 Fiscal Year Annual Research Report
アルキルプロリン由来天然物の生合成に関わる酵素の構造生物学研究
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18F18779
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 郁朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (40305496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KADLCIK STANISLAV 東京大学, 薬学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2018-11-09 – 2020-03-31
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Keywords | 生合成 / リンコサミド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗菌剤として利用されている、リンコサミド類の生合成酵素の機能解析や構造解明を目的とする。特に、活性増強に重要な役割を示すアルキルプロリン誘導体(APDs)部位を生合成する酵素群の機能解析と機能改変、それらを用いた物質生産を行う。具体的には、最近申請者らが見出した、APDsの生合成に関わる複数の酵素についてX線結晶構造解析を行い、活性に重要なアミノ酸残基を特定し、変異解析を行うことで詳細な反応メカニズムを解明する。さらに、基質の結合や反応性の制御に重要な役割を担うアミノ酸残基に対し人為的に変異を導入することで、非天然型のAPDsアナログ化合物の創出を行う。機能を改変した酵素をリンコサミド類生合成遺伝子と放線菌に異種発現させることで多様な活性を有する誘導体の物質生産を目的とした。昨年11月に研究に着手し、これまでに、リンコサミドのアミド結合合成に関わる酵素CcbDの結晶化などに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年11月に研究に着手し、これまでに、リンコサミドのアミド結合合成に関わる酵素CcbDの結晶化などに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、リンコサミド類の生合成に関わる酵素群の結晶構造解析。リンコサミド類生合成中、興味深い反応を触媒する酵素、メチル基転移酵素LmbW、スルフヒドリル基の変換に重要な酵素LmbFとそのホモログ酵素CcbF、APDと糖部位の結合を触媒するLmbD、とホモログ酵素CcbD、リンコサミド類の構造多様化に重要な役割を示す、アシル基転移酵素Ccb1などの酵素についてX線結晶構造解析を試みる。それぞれの酵素を大腸菌に発現させ、高度に精製したタンパク質を用いて結晶化スクリーニングを行う。得られた結晶について、放射光施設(つくばのフォトンファクトリー、もしくは台湾NSRRC)にてX線回折強度の測定を行う。結晶構造が得られた酵素については、野生型酵素と基質アナログ、もしくは生成物アナログとの複合体構造を取得し、その基質特異性に関与するアミノ酸残基を同定し、構造情報を基に酵素の詳細な反応メカニズムを解明する。
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Research Products
(2 results)