2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00001
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川島 京子 早稲田大学, 文学学術院, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | バレエ / 日本バレエ / バレエ映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本バレエ史を、映像の発掘と復元によって、視覚的に実証し後世に残すことを目的として行ってきたものである。現在、日本は世界有数のバレエ大国と謳われる中、その土台を築いた黎明期の映像は、ほとんど残されてないとされてきた。本研究は、その第一段階として、主にそれらを日本映画の中から発掘しようとしたものである。 これまで日本の映像史とバレエ史は互いに全くリンクすることなく別個に存在していたが、日本映画に残るバレエ映像は、現在に至る日本バレエの発展の基礎となる、日本バレエ黎明期のバレエ状況を端的に示す貴重な資料であるといえ、本研究ではこうした貴重なバレエ映像を、体系的に整理・分析し、日本バレエ発展史という枠組みの中で捉えることを目的として行ってきた。本来、予定としていた、アメリカでの戦中・戦後の占領期の映像資料発掘調査までは辿り着かなかったが、主対象である日本映画についての調査は、本年度をもって調査に一区切りをつけ、これまでの成果は、今年度中に書籍として発表する予定である。 なお、本研究において、日本映画史研究者・志村三代子と共同で研究をすすめ、戦後の日本映画に描かれたバレエの表象を通して、戦後の日本におけるバレエの受容が、戦後民主主義の形成にいかなる役割を果たしてきたのか、戦後のバレエブームとその背景、および、戦後の日本映画に残るバレエの表象から女性の自立とGHQとの関係性について考察・分析した。この成果は、国際学会で発表済みである。
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Research Products
(2 results)