2018 Fiscal Year Annual Research Report
教育実践継承を促進する学校組織経営へのコンサルテーションプログラムの検討
Project/Area Number |
18H00042
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Research Institution | 柏原市立堅上中学校 |
Principal Investigator |
井原 啓裕 柏原市立堅上中学校, 教頭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 学校経営 / 教頭の機能 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
大阪府の教員の年齢構成は20代, 50代が多く35歳から45歳までが極端に少ないワイングラス型をしており(大阪府教育委員会, 2009), 今後熟練者が減少し新規採用が増加することが予想される。こうしたことから, 学校や熟練者が今まで蓄積してきた指導に関する実践や経験が継承されない状況が予想される。これら継承されるべき実践や経験を今後次世代の教員へ継承してゆくための方略を検討する必要があると考える。 その為、次世代の教員への継承を促進する学校組織経営について研究を行う。具体的には, 教育行政及び管理職を含む教員に対して前出の学校組織経営について提案することで, 学校経営に関するコンサルテーションを行い, 学校現場をシステムの側面から支援することを目的とする。 そのため本研究では, 現役の教頭ヘインタビュー調査を行い, 指導に関する実践・経験の継承を促進させるための教頭の機能を明確にすることを目的とする。 インタビュー結果を演繹的コーディングを行い分析した結果, 教頭は, トラブルがない平常時から教職員に対して【積極的な声かけ】を行うこと, 【報連相をしやすい態度】を示すことで, 話しやすい雰囲気を醸成し【意思疎通しやすい職員室の雰囲気作り】に取り組んでいることが示唆された。また, 教頭は校長とともに, 職員の育成効果を考慮した言動や人材配置をすることで【教師アイデンティティの更新の援助】を行っていることが示された。そして, 組織運営においてミドルリーダーを中心に取組み, 職場環境を調整するなどして【場を活性化させる工夫】が見受けられた。また, 職員間の情報冗長性を高めるだけでなく, 自らも情報を活用し冗長性を高めるなど, 【「相補性」「情報冗長性」を促すシステムの工夫】についても, 取り組んでいることが示された。それぞれの記述的コードを項目化して, 所属校における指導行動の共有を促進させる教頭の機能を得て, コンサルテーションプログラムの作成の一助となった。
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