2018 Fiscal Year Annual Research Report
数学的活動を通した「楽しい高校数学」教材の事例開発
Project/Area Number |
18H00050
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Research Institution | 沖縄県立中部商業高等学校 |
Principal Investigator |
漢那 初美 沖縄県立中部商業高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 数学的活動 / 教材開発 / 高校数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的> 高校生の「数学」や「数学の学習」に対する情意面の肯定的変容を促すために, 数学的活動を中心とした授業事例開発を行い、その実践を通して生徒の変容を考察することを目的とした。 <研究方法> 高校数学I・Aの範囲において、現実事象を数学的に考えるサイクルを参考に、生徒がその過程をすべて体験できる内容構成とした。また、主体的・協働的な学びが起こる学習方法を取り入れて事例開発を行い、検証授業を行った。動画やボイスレコーダー等で記録を取り開発事例の省察と検証を行った。また、授業前後でSD調査による量的調査と単元を通したOPP(一枚ポートフォリオ)や授業後の感想などの質的調査を行い開発事例の効果の検証を行った。 <研究成果> 主に、数学I「図形と計量」において、単元を通した事例の開発を行った。イメージ調査や生徒の記述から、開発事例が生徒の数学に対する情意面の肯定的変容の契機になることが示された。具体的には、次の2つの結果が得られた。1つ目は、現実世界と数学世界を往還する学習内容と数学を通して現実事象を解決する一連のプロセスが, 自身の生活と数学のつながりを感じる場面として生徒の記憶に残り, 数学の実用的意義に気付く契機になること。2つ目は、多様な解や解法が出るような課題を提示し、主体的・協働的に学ぶ学習過程が、陶冶的意義(数学は自身にとって論理的思考力や表現力をつけるために学ぶものである)を感じる契機になること。また、この2つの変容にあたっては、振り返り活動による自己評価活動も影響していることが示された。 この事例の他にも、数学I「データの分析」、数学A「図形と計量」において事例開発を行った。数学に対するイメージの変容を調べるSD調査の結果、開発事例が数学に対するイメージの肯定的変容の契機になることが示された。 成果は日本数学教育学会や自主開催(沖縄県高校数学教諭対象)の研究会等で発表した。
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Research Products
(3 results)