2018 Fiscal Year Annual Research Report
道徳的判断力を高める体験的な道徳学習の授業展開の研究
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18H00063
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
寺西 克倫 大阪教育大学, 附属平野小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 道徳的判断力 / 体験的な活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 「道徳科で体験的な学習に取り組む児童の姿から, どのような発問を行うと児童の道徳的判断力は高まるのか」について検証することを目的としている。児童が日常生活で道徳的価値を実現する上で重要な力となる道徳的判断力に着目して研究を進めた。 道徳的判断力を高めるため, 体験的な学習に取り組み, 道徳的行為の理由などを考えさせる発問で, 行動についての理解をどのように深めているのかということ, また, 体験的な活動に取り組む児童の様子とワークシートの記述の内容から, 体験的な活動に取り組んだ時の道徳的判断力の高まりについて, の2点を考察していく。 研究の方法として, 道徳の体験的な学習において, 児童が相互にiPadに記録した体験的な活動への取り組みの様子を振り返り, ワークシートの記述と関連させて道徳的判断力の高まりを見取った。また, 「(授業前なら)~の場合, 自分ならこうすると考えられますか。」「(授業後なら)~の場合, 自分ならこうすると考えられますか。」いった道徳的授業実践前後の児童の意識をアンケート調査した。 また, 体験的な学習を取り入れる場面では, 以下の3つの視点についての発問(1. 主体的な判断を求める発問, 2. 行為の理由を考える発問, 3. 行為の価値を深める発問)で, 道徳的判断力を高めるようにした。例えば, 主体的な判断を求める発問として, 「この場面では, どのような行為が必要ですか。」と問うた。 本研究に取り組んだことで, 体験的な学習に意欲的に取り組んだり, 体験的な学習から道徳的価値を実現する難しさを感じ取ったりした児童は, その後のワークシートへの記述内容から道徳的判断力を高められたことが分かった。また, 実践後の児童アンケートより, 道徳的判断力を高める手立てとして, 発問として問う立場を明確にしておく必要性を感じ取ることができた。
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Research Products
(1 results)