2018 Fiscal Year Annual Research Report
道徳科における, 児童の実態に合わせた道徳性を高めるための評価方法の開発
Project/Area Number |
18H00064
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
渡部 恭子 大阪教育大学, 附属池田小学校, 指導教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 道徳科の評価 / 肯定的評価 / 話す・聞く・読む・書く |
Outline of Annual Research Achievements |
1年生の1クラスを中心としてほぼ1年間を通して研究を行い、対照として5年生の2クラスと1年生の2クラスで適宜研究を行った。児童を話す・聞く・読む・書くについて得意・苦手の観点で分類を行い、それらの児童の実態に応じて道徳性を高めることを目標として評価方法を工夫して指導を行った。評価時は授業中・授業後、評価方法は、教師からの言葉、児童の道徳ノートの感想等に対する線引きや教師のコメントとして行った。その中でも特に効果があったことは、次のことである。 【話すことが得意であるが、聞くことや書くことが苦手な児童について】自分の意見をしっかり持っており発表したいという意欲は高いが、他の児童の意見をあまり聞いていなかったり、否定的にとらえて意見を言ったりする傾向が見られた。このような児童に対する評価として、自分の考えを素直に表現できていることと、意見が多面的・多角的に考えられる基になるということを授業中に言葉で肯定的な評価を行った。それを継続して行うことによって、他の児童含めて道徳科の授業で、自分の考えを素直に表現してもよいということが理解されたり、多面的・多角的に思考しようとする児童が多くなったりしたことが授業記録や授業後の感想等からうかがえた。 【書くこと・聞くことが得意であるそが、話すことが苦手な児童について】発表として発言するのが苦手な児童については、授業後の感想に対して、コメントという形でその児童の意見を肯定的に評価することを重視して行った。さらに、授業中に友達の意見を聞いて感じたこと等をメモしてもよいことや、それを見て発表してもよいことを伝えた。これらの児童が少しずつ自信を持って発表することができるようになると、よく考えた意見が授業の中に出てくるようになり、他の児童もその意見を知ることで道徳的な深まりが見られることが、ビデオ等の授業記録から読み取れた。
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Research Products
(4 results)