2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楢府 暢子 東京大学, 教育学部附属中等教育学校, 後期課程副校長
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 防災 / 中学校 家庭 / 食生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 災害時には長期間にわたり、ライフラインが途切れることが想定されている。過去の災害事例から、栄養バランスの整った食事の確保は大きな課題となっている。特に東京では、復旧や支援の遅れが予想され各家庭での自助は重要である。しかし、日頃から意識している家庭は少ない。そこで、食生活の内容を災害に備える視点で捉えた授業を行い、災害時に対応できるような実践力につながる生徒を育成したいと考えた。 研究方法及び実施内容 中学校「技術・家庭科」(家庭科分野)食生活の9~2月までの授業で実施した。授業対象は1年、3クラス120名、授業時間は週1時間である。夏休み迄は、食生活の基本となる食事の役割、食事摂取基準、栄養素、食品群、献立作成及び基本的な調理実習を行った。夏休みには、地震を中心に東京都の現状と想定、避難時の問題・課題等を家庭での話し合いも含め、まとめることを課題とした。その際、災害に備え、家にある食品等も調べさせた。9~12月は、それらを活用し、食品の加工、保存、安全性、献立作成、調理実習等に災害時の視点を入れた授業を行った。冬休み後は、災害事例を元に自助・共助・公助についても考えながら、家庭科で学んだ知識を災害時にどう活用するか、家族・家庭生活の内容も含め授業を行った。 成果 ①災害時という視点を加えることにより、生徒の意見や考えに広がりが出た。例えば、保存料の使用も、扱いやすさや食中毒という視点からは必要等がある。 ②実際に体験することで災害時への理解が進んだ。ポリ袋調理や保存食で作る献立作成等である。 ③継続することで意識の定着が図れた。この間、家庭で話題として取り上げられることも多く、校内でも家庭でも有効であった。 ④領域横断型授業を通して実生活に繋がった。災害は住生活、自助などは家庭生活の内容であるが、災害や避難所という場を通して様々な学習内容が実生活と繋がることに生徒が気付いた。
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Research Products
(2 results)