2018 Fiscal Year Annual Research Report
動きの質を高める教師の見取りに関する事例的研究 ~活動中の身体性に着目して~
Project/Area Number |
18H00117
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
矢戸 幹也 三重大学, 教育学部附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 小学校体育 / 見取り / 動きの質 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 本研究では, 学習指導要領の改訂に伴い, 「主体的・対話的で深い学び」に向けた小学校体育授業の構想・実践と, 体育授業を教科専門外の教員が行うことが多い小学校体育において, 子どもの姿と教師のかかわりや, 活動中の子どもの動きに注目して, 動きの質を高める視点を事例的に明らかにすることが目的である。 ○研究方法 「主体的・対話的で深い学び」に向けた協同的学びを促す授業デザインについては, 岡野・山本(2012)の「『体育における対話的学び』のデザインの手順」に依拠し, 4年生のリレー(全4時間), 表現(全6時間), ゴール型ゲーム(全8時間)の授業デザインを構想し, 実践を行った。それぞれの実践において, 動きの質の高まりが期待できると想定される場面を中心に活動中の教師と児童のかかわり, 児童同士のかかわりを重点的に記録し, 場面を事例的に切り出し, 分析を行う。 ○研究成果 子どもの動きの質を高める視点については, 以下の3点が効果的であることが明らかとなった。 1. 目的意識・運動認識の違いが浮き彫りになるよう, その違いが自覚できる場を設定する。 2. 運動に関係している対象(例えば、ゴール型なら「ボール」「ゴール」「ボール非保持者の味方」「相手」等)を設定しておき, それを基に学び手が見る対象をいくつ意識しているのかを捉えていく。 3. プレイ時間や実施回数の平等性ではなく, 味わわせたい運動の世界の中にに参加しているかという平等性で捉えていく。 このような点に考慮して子どもの動きを見取ることで, 子どもの動きの質が高まることが本研究の事例から明らかとなった。
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