2018 Fiscal Year Annual Research Report
Japanesqueをキーワードに展開する日本伝統音楽の表現活動を中心とした授業構築
Project/Area Number |
18H00120
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中山 由美 お茶の水女子大学, 附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | Japanesque / 日本伝統音楽 / 表現活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
○本研究の目的 日本伝統音楽に愛着がもてるようになる授業の開発とその検証が本研究の目的である。本研究では、学習指導要領の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」にある「生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わい, 愛着をもつことができるよう工夫すること」の「愛着をもつ」に注目した。「愛着」とは「慣れ親しんだものに深く心が引かれること」である。そこで、日本伝統音楽に「慣れる」ためにいったん客観的な視座をもたせるため「外国人の目に異国情趣が強く感じられる純日本的な雰囲気」という意味合いをもつJapanesqueというキーワードからとらえることにした。 ○研究方法 勤務校において授業開発とその検証を行った。本研究では、Japanesqueの要素の中から「音色」と「音階」の二つにしぼり、創作活動を通してJapanesqueを探究する授業を開発した。創作活動では、作品を完成させることや他者に聴かせる演奏を目指すのではなく、表現している“今”を楽しむライブ感覚の音楽活動としてMusicking的な表現活動を設定し、授業観察、生徒の意識調査から検証を試みた。 ○研究成果 音色の対比を感じ取らせるため、筝・三味線・三線・尺八・篠笛、篳篥に加え、鍵盤楽器やリコーダー、ヴァイオリン、ギターを混在させ、日本の4つの音階(都節・律・民謡・沖縄)から少人数グループごとに選択して創作し、リレー奏するMusicking的な表現活動を設定した。本研究で購入した、カラクイ(糸巻き)がギターのような形状の「ペグ三線」は、これまで困難であったチューニングが平易になり、活用度の高い楽器であることがわかった。また、生徒のニーズに対応した支援方法としては、タブ譜や数字譜、文字譜を作成したこと、筝を演奏する楽曲に合わせた音階にチューニングして糸番号を示した楽譜を作成することが有効であることがわかった。日本の伝統楽器を常時活動に取り入れる環境をつくれば、現代の子どもたちが臆することなく取り組めることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)