Outline of Annual Research Achievements |
協同・協働学習モデルに基づいた自動掃除ロボット製作学習の授業プログラムを開発し, モデルの妥当性と中学生の創造性, 技術的課題解決力や技術の評価力, 技術への興味・関心などの協同・協働的な技術活動力に及ぼす教育効果を検証し, 明らかにした。 課題設定は身近で取り組みやすい自動掃除ロボットの製作とし, 扱いやすい材料を使って製作することで, アイデアが反映しやすく試作・改良・再設計・製作を繰り返す試行錯誤が容易にできた。チームの役割分担を設計・ロボット製作・プログラム制作・広報の各責任者として行うことで, 課題を把握して分担する協同のスタイルではじめたが, 生徒らは課題を分担しつつ共有する協同・協働へ変容した。設計の構想は, 与えられた課題に対するアイデアを個人で考え, さらに個人のアイデアをグループで検討し, 全体で共有した上で, 1つにまとめさせた。このグループ内での話し合い活動が, 個人のアイデアの良い点を融合したアイデアを生み出し, 生徒の発想の広がりにつながった。設計では, 実際の掃除機の形状を調べ, 吸い込み口の形状, スイッチの取り付け位置, 羽根の形状, ごみの収納や捨てやすくする工夫, 掃除部分全体のデザイン等を話し合い, 製作では, 必要な材料を各自持ち寄り, 厚紙やペットボトルを活用して吸い込み口, 羽根, ごみの収納部などを工夫し製作させた。調査の結果, (1)役割分担しつつ対等に学び合う協同・協働の活動が確認でき, 技術活動力が伸びたこと, (2)協同・協働的な技術活動力のすべての構成要素について有意な意識の向上があったこと, (3)生徒が協同・協働的な技術活動力に関係する力の向上を実感していることを確認した。以上より, 開発した授業プログラムの実践を通じてモデルの妥当性および教育効果が検証できたと結論づけられる。
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