2018 Fiscal Year Annual Research Report
科学的な探究能力を育む幼小接続期カリキュラムの開発
Project/Area Number |
18H00150
|
Research Institution | 大阪市立中大江小学校 |
Principal Investigator |
稲井 雅大 大阪市立中大江小学校, 教員
|
Project Period (FY) |
2018
|
Keywords | 幼小接続期 / サイエンスカリキュラム / デザインシート |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児教育の重要性が世界で見直される中、日本では次期幼稚園教育要領に向け「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が示された。科学的な育ち・学びにかかわる「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」も挙げられ、幼小接続期における科学教育の実践的な課題も方向付けられつつある。しかし、これらの姿は小学校第3学年からの理科学習と関係して明示されておらず、第1・2学年においては「徐々に各教科等の特質に応じた学びにつなげていく」と述べるに留まっている。科学教育の幼小接続については十分とはいえず、その具体は喫緊の課題といえる。これに対して、5歳児から小学校義務教育が始まるオーストラリアでは、教員はカリキュラムに関するカードを常持して指導にあたり、その効果も認められてきている。 そこで本研究では、オーストラリアの実践アイデアを参考に、幼小接続期に焦点を当てたサイエンスカリキュラムと、それを実践するためのツールとして教師・子供併用型デザインシートを開発した。実際の活動場面では、子どもたちはデザインシートを使用することによって、予想を立てて活動に臨めたり、活動を通して理科的な学びに気づけたりすることができた。また、学びの視点が子どもと教師、教師同士で共有され、学びの深まりが見られた。さらに、無意識的な気づきを、子ども自ら学びにつなげていく手立てとすることができた。 研究の参考にしたオーストラリアでの試行、実践でも、日本と同様の成果と、他教科での発展的な活用への示唆が得られた。 今後の課題は、デザインシート開発例を増やし、多くの単元開発に挑むことでカリキュラムの妥当性や客観性を高めていくことである。オーストラリア・ビクトリア州やクイーンズランド州など、日本と同様の学校システムでも実践の可能性を検討し、さらなるカリキュラムの汎用性、体系化を図っていきたい。
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
[Remarks]
-
[Remarks]
-
[Remarks]
-
[Remarks]