2018 Fiscal Year Annual Research Report
炭焼きの「見える化」で初心者でもできる技術開発と教材化への検討
Project/Area Number |
18H00181
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池田 充 鹿児島大学, 教育学部, 再雇用職員
|
Project Period (FY) |
2018
|
Keywords | 見える化 / 炭焼き / 初心者でもできる |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景・目的】 炭焼きを学生実習や卒業研究で指導する中、試行錯誤を行ってきた。しかし製炭率が安定せず中にはほとんど灰化した。熟練者からは煙の色の見分け方で成功するか否かの指導がされてきた、しかし抽象的判断方法では初心者にはわかりづらい。そこで窯の中全体が炭化した時期を把握できる方法、すなわち「見える化」の技術を開発し、初心者にわかりやすく伝授できる方法として確立することを目的とした。 【方法】 炭窯の底にゴム・髪の毛・生竹等を置き、窯内の上部から下部(底部)に木材の炭化が進むことで、窯全体が炭化したことをゴム・髪の毛から発生する異臭が知らせる方法と、また生竹の破裂による音で知らせる方法の2つの指標により、窯底が高熱に到達したことを想定し閉鎖時期の判断の代替とする方法で行った。 【成果】 異臭(ゴム・髪の毛)を利用した炭焼き実験では窯底内部温度と排煙温度を30分間隔で測定した。当初は窯底温度と排煙温度は点火初期から温度に開きがあると想定していた。しかし150℃までは同じ温度推移で上昇することが分かった。そのため排煙温度約400℃、窯底温度700℃に達する(閉鎖時)までにすでに異臭物は燃え尽きたことがわかった。その間目的の異臭を測定することや嗅覚で感じることは出来なかった。また音での実験も、想定する期間までに破裂音を計測するには至らなかった。そのため計画ではなかった煙玉による再実験で、排煙量と色の変化での実験を試みた。その結果、排煙量・色とも双方とも変化を判断することはできなかった。これまで髪の毛・ゴム・生竹・煙玉ともに閉鎖時期の材料としては不適合と判断した。しかし今まで測定できなかった窯内部の温度を確実に測定でき、その推移が把握できたことは大きな成果であった。また従来測定していた排煙温度と窯内温度との比較で排煙温度だけで窯内温度を想定できることが可能となった。これまでに熟練者から伝授された煙の色以外にも閉鎖時期を判断する方法として排煙温度と排煙量を目安として判断できることが実験の中から解明された。
|
Research Products
(2 results)