2018 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツスキル保持手法を用いた溶接運棒スキル保持練習法の研究と速度体感装置の開発
Project/Area Number |
18H00193
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 翼 独立行政法人国立高等専門学校機構阿南工業高等専門学校, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 溶接 / スキル保持 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的・背景】 アーク溶接では運棒スキルの獲得は最も重要な要素の一つであるが, 時間割り形式で行われる溶接実習での問題点として「短い実習時間内に運棒感覚を掴まなければならない」, 「一度掴んだ(掴みかけた)運棒感覚を次回の実習まで保持し続けなければならない」ことが挙げられる. 運棒スキルの獲得においては, 「①溶融池と身体の状況把握」, 「②次の身体動作を意識決定」, 「③実際に身体動作へ反映」, 「④変化点の考察」を「⑤反復練習」し, 「⑥感覚と経験を蓄積」していくことが必要とされる. この一連の流れは, スポーツスキルを獲得する際に経験する過程(認知段階, 連合段階, 自動段階)と共通点が多い. スポーツ科学分野では, 多くのスキル保持手法が研究されているが, これまでの溶接関連の研究では, 運棒スキルの保持を主眼とした研究は行われていない. そこで溶接品質を一定に保つためのパラメータの中でも, スポーツとの関係性から動きの性質が強い運棒速度の保持を対象として, スポーツスキルの保持手法を応用したアーク溶接における運棒スキル保持に有効な練習手法の開発を目的とし, 正しい運棒速度を体感させる練習手法を開発する. 【研究成果】 (1)運棒速度体感シミュレータの製作 モータ制御により溶接熟練者の運棒速度が再現されたステージに取り付けた安全ホルダを持つ事で, 正しい運棒速度を体験させる. 保護具着用時においても操作性が良く, 学生単独でも安全に運棒速度が体感できるシミュレータを製作した. (2)運棒速度体感シミュレータの実習への導入効果 シミュレータを実習に導入し, 実習の進行状況毎での運棒速度の理解度についてアンケート調査を用いて効果を評価した. 運棒速度体感シミュレータの体験は, 学生自身が行う自己練習に比べ, 短時間で運棒速度の理解が得られた. (3)研究成果報告 第10回高専技術教育研究発表会in木更津、および総合技術研究会2019九州大学にて報告した.
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Research Products
(3 results)