2018 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルリアリティ(VR)を用いた鋳造体験教材の開発
Project/Area Number |
18H00203
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
吉武 靖生 久留米工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | バーチャルリアリティ / 立体視 / キュポラ溶解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本校において伝統的に実施している「キュポラを用いた鋳造実習」は, カリキュラムの都合上, 機械加工実習を行う4学科のうち2学科に対してのみ行っている. 関連学科全てにキュポラ溶解を体験してもらうためには, 短い時間でもキュポラ溶解を行える必要がある. そこで本研究では, あたかも現実に実習を行っているように体験できる, バーチャルリアリティ(以下, VR)に着目し, VRを用いた鋳造実習の体験教材を製作することを目的とした. 教材製作のために, 主にビデオカメラ(視野角220°の全天球カメラ), 動画編集ソフト(Adobe premiere)そしてゲームエンジン(Unity)を用いた. 撮影時, ビデオカメラは立体視を可能とするために, 一つの視点につき, 人間の左右の目と同様にカメラを2台用いた. さらに視点は作業者の視点, キュポラ炉周辺の視点, 鋳込み場所周辺の視点の合計3視点とした. 3視点はそれぞれ同時に撮影しているためカメラを6台用いた. 撮影したデータは, 動画編集ソフトにてVR視聴用に変換し, 撮影されていない範囲(後方140°)に関しては黒塗りとした. 編集した6つの動画は, Unity上で作成した6個の球体のオブジェの表面にそれぞれ張り付けた. ここで球体の中心から動画を見ることによって, 立体視可能なVR動画となった. 本教材では, 動画を視聴している最中での視点の切り替えを可能にした. さらに, 視聴者自身が行動を選択可能にするため, 動画の途中で行動の選択肢を設けた, 選択肢は鋳造作業における不安全行動を主としており, 間違った場合にはテロップで指摘を受けるようにした. 本研究の結果, キュポラを用いた鋳造実習をVR教材とすることができた. このことにより, 現在, キュポラを用いて鋳造実習を行っていない学科に対してキュポラ溶解を体験させることが可能となった. 以上より, 本研究は伝統的なキュポラ溶解を守り, 広げることができる可能性を得たことで非常に意義のある研究であったと言える.
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Research Products
(1 results)