2018 Fiscal Year Annual Research Report
全天球カメラとウェラブルカメラを活用した授業研究システムの開発
Project/Area Number |
18H00210
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Research Institution | 阿賀町立上条小学校 |
Principal Investigator |
丸山 裕輔 阿賀町立上条小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 全天球カメラ / ウェラブルカメラ / 授業研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : 本研究では、教室の360度全方位を録画できる全天球カメラと、授業者や参観者の視界を記録できるウェラブルカメラを活用した。両者の授業映像記録から、教師の「認知-判断-行為」を評価し、授業力量の向上と校内研修の改革を目指した。本研究の目的は、次の2点である。 1) 全天球カメラを活用して、授業を全方位で再現し、指導主事等の校外の人材が遠隔地にいながらも、非同期で参画できる授業研究システムを開発する。 2) ウェラブルカメラを活用して授業者と参観者の授業認知を比較できる映像を作成し、映像に伴う発話記録の分析も通して、教師の意思決定過程を検討する。 ○研究方法 : 全天球カメラで授業を録画することによって、バーチャルリアリティ(VR)の教室を再現する。ウェラブルカメラを授業者や参観者が目線と同様に装着し、視界を録画することによって、認知-判断-行為の過程を探究する。校内研修において、初任者の授業を全天球カメラで撮影し、授業者と指導教員の参観者がウェラブルカメラでそれぞれの視界を録画した。具体的には、第4学年国語科単元で研究授業を行い、授業後には両者でリフレクションを行った。全天球カメラによる授業映像は、VR動画として、ネットワーク上に限定的に掲載し、非同期で勤務地や在宅でも視聴できるように配慮した。 ○研究成果 : 全天球カメラによる視野を自由に選択できる映像は、授業者や参観者が実際の授業では認知できなかった児童の言語情報や非言語情報をエビデンスとして見出すことができた。ウェラブルカメラによる映像比較では、授業者と参観者が着目する事象に相異があることや、映像に伴う発話記録から教師の思考判断・行為に関するキューの様相が分かった。また、授業のVR動画が継続的に教師の省察を促進し蓄積するツールとなることや、外部人材が非同期で参画できる仕組が授業研究を活性化することにつながることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)