2018 Fiscal Year Annual Research Report
地域資源を活用した理科出前授業の教材開発と実践による「地域共創事業モデル」の提案
Project/Area Number |
18H00216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大方 祐輔 広島大学, 附属福山高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 科学コミュニケーション / 域学連携 / 出前授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の概要 東広島市福富町竹仁地区にある, 福富町からの情報発信拠点となっている古民家「星降るテラス」にて, 近隣住民の方々に福富町の魅力をアピールするため, 福富町の自然を活用した理科出前授業を計画し実施した。社会(市民)と科学の専門知識をつなぐ役割をもつ「科学技術コミュニケーター」という立場から, 出前授業を通して福富町の自然の魅力を近隣地域へ発信することは, 中山間地域の地方創生に資する有効な手段の1つとなり得ることがわかった。 2. 出前授業の実際 出前授業の内容については, ①小学生とその保護者が安全に楽しく参加できる, ②福富町の自然に直に触れることができる, ③夏休みの自由研究として発展させることができる, という点から「手づくり顕微鏡による自然観察」を行った。手づくり顕微鏡は「ペットボトル顕微鏡製作セット」を用いて作製した。 3. 成果と今後の展望 2018年8月の出前授業について, 事前の応募状況, 参加者から授業の感想の聞き取り, 事後アンケートの結果から, 以下のことが明らかになった。 ①福富町の地域資源を利用した理科出前授業は, 近隣に住む市民からの一定の需要があった。 ②理科出前授業は, 科学の専門知識を市民にわかりやすく伝える有効な手段であった。 ③福富町在住の方や近隣の大学の学生の中には, 福富町の魅力的な自然や人材を全国に発信することに意欲的な人々がおり, その人々との密な連携を構築することができた。 来年度以降も継続して, 福富町民や近隣の大学と協働しながら, 地域活性化のための持続的な科学コミュニケーション活動のあり方について研究を進めていきたい。また, 内容が実用的だと判断した教材については, 一般市民に向けた「福富町の資源や人材を活用したサイエンスプログラム」としてさらに開発を進め, それを「福富町における地域共創事業モデル」として提案し, ホームページや広報誌などによる全国発信を目指したい。
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Research Products
(1 results)