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2018 Fiscal Year Annual Research Report

通電加熱により結晶粒パターニングを施した金属材料の機械的性質・組織に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18H00247
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

堀田 将臣  信州大学, 工学部, 技術職員

Project Period (FY) 2018
Keywords通電加熱 / 金属材料 / 結晶粒制御
Outline of Annual Research Achievements

スポット溶接機を用いて, 金属材料に通電加熱を行い, 結晶粒径を一部粗大化させることにより, 結晶粒パターニングを施した試料の作製を行った. また, その機械的性質を明らかにした.
供試材には, 板厚1mmの冷間圧延鋼板(SPCC)を用いた. 供試材は, JIS Z2241, 5号試験片形状に加工した. 加工後, スポット溶接機とX-Yステージを組み合わせた通電加熱装置により, 試験片中心線上に, 15mm間隔で通電を行った. 電圧は60V, 電流は15Aに設定し, 通電時間は, 3s・5sと変化させている.
通電後には, 電子顕微鏡の結晶方位解析(EBSD)を用いて, 結晶粒径の変化を明らかにした. 通電加熱前の平均結晶面積は, 570μ㎡(等軸な結晶粒への換算で平均結晶粒径は23μm)であったが, 5s通電加熱部位の直下では11,640μ㎡(107μm)と約20倍まで粗大化することがわかった. また, ナイタール腐食によるマクロ組織観察から, 通電加熱後の試料では, 通電加熱による粗大結晶粒の周囲は500μm程度の熱影響組織が確認されたが, EBSDの観察結果から, 通電加熱前後の組織はα組織のみが観察され, 結晶形態の変化は確認できなかった.
組織観察後には, 引張速度5mm/minで引張試験を行った. 通電加熱による面粗さの変化があるため, 応力ではなく, 引張荷重での評価を行うと, 供試材(O材)の引張荷重は, 最大で6kNであったが, 通電加熱を3s, 5sと行った試料では, 最大が7kNとなっており, 約23%の荷重増加が確認された. しかし, 破断までの変位は, 15%程度低下している. また, 1列の通電加熱試験片以外にも2, 3列での通電加熱試験片等を作成し, 引張試験を行った. いずれの試料においても, 引張荷重の増加が認められた.
以上のことから, 通電加熱による結晶粒パターニングを施すことで, 金属材料の強度向上に寄与することが示唆された.

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Published: 2020-03-17  

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