2018 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット研究開発に不可欠なハードウェア基礎・制御技術習得システムの構築
Project/Area Number |
18H00251
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片山 雷太 神戸大学, 工学研究科, 教室系技術職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | ロボット / 実習教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボットの研究開発において, ハードウェアに対する知識・制御技術の習得は必要不可欠である. なぜならロボットを動かすためには, システムを構成しているモーターなどのハードウェア情報を取得し, 次の動作に適切な出力を各要素へ与える必要があるからである. このとき最終的にはパソコン上のソフトウェアから制御を行うが, ロボットを正常に作動させるためには, モーター・モータードライバ・各種センサといったハードウェアや, 各ハードウェアを接続するためのカウンタ・AD/DA変換ボードなどのインターフェース部分, そしてハードウェア・インタフェース部分とソフトウェアとのつながりに対する知識は必須である. しかしながら, ロボットの持つ多様性のため, 一般的と呼べる教材が存在せず, ハードウェア操作は一歩間違えれば高価な装置を破壊する可能性もあることから, 研究入門段階の学生にとって特に敷居が高く, 学ぶことが困難である. この問題を解決するために, ロボットハードウェア学習用の1軸回転ハンマー型のマスタ・スレーブ(遠隔操縦)装置の製作を行った. この実習装置は前述したモーター, モータードライバ, 力覚センサや, これらを操作するためのカウンタ・AD/DA変換ボードの各インターフェースなど基本的なロボット構成に必要な要素を内包している. 装置は分解・組み立てが可能で, 組み立てを完成した状態でも装置を構成する各要素が確認できる形式で製作を行った. また, 実習では各機器を操作するための, いわゆるデバイスドライバと呼ばれる部分のソースプログラム製作も行い, ハードウェアアクセスの根本的な部分から操作技術の習得を行った. 製作した装置により, これまでブラックボックス化していたハードウェアの成り立ちから, 中身を深く理解せず流用されていたハードウェア操作プログラムまで実践的な形式で実習が可能となり, ロボット研究初心者が必要とするハードウェア基礎知識・制御技術の習得が可能となった.
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