2018 Fiscal Year Annual Research Report
高出力LED溶融によるZnOナノワイヤの表面薄膜化手法の研究
Project/Area Number |
18H00260
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宮田 晃 愛媛大学, 工学部等技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | ZnOナノロッド / 高出力LED / 表面溶融 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 本研究では, 基板上に密集して成長したZn0ナノロッド表面に近紫外域の高出力LED光を照射して表面のみを溶融させて薄膜状にすることにより, van der Pauw法によりZn0ナノロッドの電気特性を簡便に測定するための足掛かりとなる手法を開発することを目的とする。 2. 研究方法 (1) 溶液成長法で基板上に成長させたZn0ナノロッドの表面に近紫外域光を照射し, ナノロッドの試料の表面を溶融させることにより, ごく表面付近のみを薄膜状にする。 (2) ナノロッド表面に照射する近紫外光の強度, 照射時間等のパラメータを種々変化させ, 表面溶融サンプルを複数作成する。 (3) 結果の評価は主にSEMによる表面観察により, 紫外光の出力や照射時間と, 表面状態や溶融厚さ等との相関を明らかにする。 3. 研究成果 Zn0ナノロッド表面に, 波長365nm, 最大照射強度14W/㎠のLED光を最長15分間照射したサンプルをSEM観察した結果, 一部のナノロッド端面どうしの融着による表面積の増大は認められたものの, 表面全体の一様な薄膜化には至らなかった。その原因として以下のような要因が考えられる。 (1) LED光の出力不足。当該LEDの照射強度は, 焦点においた紙を焦がす程度の出力はあったが, Zn0を溶融させるには充分ではなかった。 (2) LED光の波長。当該LEDの波長365nm(エネルギー約3.4eV)は, バンドギャップ約3.3eVのZn0では充分光吸収を生じるものの, 表面全体を溶融させるためには不足していた。 (3) LED光の焦点調節。当該LEDの最大照射強度を得る焦点深度は非常に浅く, 加えてZn0ナノロッドの長さも1μm程度のため, より精密な焦点調整機構が必要であった。
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