2020 Fiscal Year Final Research Report
ディジタル回路実験における能動的回路デバッグを通した論理的思考力養成の試み
Project/Area Number |
18H00262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
2150:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
NISHIMURA Mikiko 石川工業高等専門学校, 技術教育支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ディジタル回路実験 / 回路デバッグ |
Outline of Final Research Achievements |
石川工業高等専門学校電子情報工学科で行うディジタル回路実験で、最も規模の大きい回路を作成する3年生実験「CPUの作成」を対象に回路デバッグ支援システムの開発を行った。システムでは、ブレッドボード上に組まれたCPU回路のレジスタに用いる論理ICをDフリップフロップからシフトレジスタに変更し、テストプログラムを使用することでレジスタ値を可視化し誤り位置を推定できるようにした。実際の学生実験の現場で使用するにはユーザインタフェースを整備する必要があるが、開発システムは実際にブレッドボード上に組まれたCPU回路で検証済みであり、学生が自発的・効率的に回路デバッグが行えるシステムを開発することができた。
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Free Research Field |
電気電子工学
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Academic Significance and Societal Importance of the Research Achievements |
ブレッドボード上に論理ICで作られたディジタル回路のデバッグは、入出力だけではなく回路内部の電圧から回路誤りを特定していくため、論理的思考力の養成に大いに資する。しかし、デバッグの手がかりすら見つけられない学生も少なくなく、指導スタッフが主導してデバッグせざるを得ないこともある。受け身の経験では論理的思考力が養われないばかりでなく、少数スタッフによる個別対応では「手が止まっている」学生の待ち時間が長くなる。開発システムでは予測する誤り箇所を回路デバッグの「取りかかり」として学生に提示し、学生自身が能動的に試行錯誤を重ねることで、ディジタル回路実験を通した論理的思考力の真の養成が期待できる。
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