2018 Fiscal Year Annual Research Report
液中レーザークリーニングによる高価基板のリサイクル
Project/Area Number |
18H00267
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東畠 三洋 九州大学, 工学部技術部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 液中レーザークリーニング / 超音波洗浄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 我々の研究室において大量消費している高価サファイア基板の再利用と関連技術への応用である. 研究背景として, 窒化ガリウムに代わる有望な化合物半導体材料である安価で安全な酸化亜鉛を主材料としたナノ構造体による白色LEDの研究開発を行っており, その酸化亜鉛ナノ構造体は主にサファイア基板上に作製している. 用いている単結晶サファイア基板は, 近年量産化技術の確立により価格が下がってきているが, 機械的強度があるため加工費がかかり, 現在も1枚当たり数千円での納入となっている. しかし, 良質な酸化亜鉛ナノ構造体を得るためには, 数多くの作製条件での試作を必要とし, それに伴い大量のサファイア基板を消費している現状がある. また, 近年の研究費削減による購入枚数の制限や資源の有効利用という観点からも再利用は非常に有意義であり, 不可欠であると考えている. 我々は, 酸化亜鉛とサファイアのレーザーアブレーション閾値の違いを利用し、不要材料である酸化亜鉛ナノ構造体のレーザークリーニングを行っている. 本年度は, 下記について試みた. 1. 液中レーザークリーニングの有用性確認のため, アクリル製基板ホルダーの作製等, 装置セットアップを行った. 2. 先行研究では, レーザークリーニング後にサンプル基板の超音波洗浄処理を行っていたが, 剥離スピードアップ等の相乗効果及び溶媒の冷却等効果による基板ダメージ抑制を狙い, レーザー照射時の超音波洗浄を試みたところ, 剥離が確認でき, 処理時間が短縮できた. しかし, 剥離状況等SEMによる確認では相乗効果と言えるような大きな違いがみられなかった. 今後更にAFM等により基板ダメージ状況等確認し, レーザー照射条件や超音波洗浄条件の最適化を探っていく予定である.
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