2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00279
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
片岡 三枝子 豊橋技術科学大学, 研究支援課, 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2018
|
Keywords | 海浜植生 / 土砂量 / UAV(無人航空機) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 愛知県豊橋市の表浜海岸を対象地として, 砂浜と海浜植生の現況調査を行い, 地形変化・土砂移動の実態と海浜植生の繁茂状況の関係を明らかにするとともに, 砂浜の保全対策を検討することを目的とした. 季節ごとにVRS-GNSS等を用いた高精度測量とUAV(無人航空機)による海浜地形・植生範囲のモニタリングを行い, UAVで取得した砂浜の写真上にVRS-GNSSで取得した標高や植生繁茂息のデータ, 汀線ライン, 満潮ラインを重ね合わせ現況図を作成した. 東海地方では2018年6月から9月にかけて, 台風が6つ接近・上陸した. VRS-GNSSで得られた植生ラインと汀線ラインを現況図に表し比較したところ, 植生は一部7m程後退している箇所もあるが, 植生帯部分の砂が削られることはなく, 地下茎で繋がっている植生域が減少することはほとんどなかった. 砂浜部分の約9000㎡を対象に, 3Dモデルデータを使って土砂量を計算したところ, 砂は冬場に約8%堆積し, 夏場に台風の影響もあり約7%減少しており, 年間でみると約1%の増加となった. このことから2018年は例年以上の台風の襲来があったが, 表浜海岸では大きな影響は無かった. 多少の砂の移動や減少があったものの年間を通しての自然現象(夏に侵食, 冬に堆積)の範囲内での変化であった. 冬季の風向・砂移動調査から, 飛砂は冬の強い北西風に乗り東南東・東北東・東の方向へ動き, 満潮時遡上高(標高約2m)を境に砂移動の方向が変化する. 特に植生帯に沿って東北東へ動く砂は, 海浜植生がトラップとなり堆積し植生帯を形成している. この飛砂の動きを活かし, 砂が少しでも堆積できるよう保全対策を行いたい.
|
Research Products
(1 results)