2018 Fiscal Year Annual Research Report
パミスサンドを用いた新たなパインアップル栽培技術の確立
Project/Area Number |
18H00318
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新垣 美香 琉球大学, 農学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | パインアップル / パミスサンド栽培 / 栽培技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
パインアップルは、沖縄県の果樹生産額の約30%を占める重要果樹であり、糖度が高く食味の良い高品質果実を目指したブランド化が進められている。一方、栽培は全て赤土の酸性土壌地域での方法に限られており、降水量が多い場合など作業環境の悪化とともに、果実品質の低下など、様々な課題が山積している。申請者は、これまでパミスサンド(軽石)を用いたネギ類などの野菜類の栽培試験を行い、その結果栽培や作業環境が改善し、ネギ類の嗜好性などが向上することを明らかにした。そこで本課題では、作業環境の改善や高品質なパインアップル生産の可能性を検証するため、パインアップルのパミスサンド栽培試験を実施し、生長解析と栽培技術の確立を目的とした。 試料として沖縄の主要品種のN67-10と改良品種のソフトタッチを用い、2017年10月ならびに2018年2月、4月、9月にパミスサンドおよび赤土で株の植え付けを行い、葉身長と葉数を記録した。検体数は各処理区30株以上とし、赤土区には固形肥料を、パミスサンド区には液体肥料をpF2.0を目安に施用した。 本試験の結果、N67-10とソフトタッチについて、いずれの植え付け時期においても、5~8月におけるパミスサンド区の葉身長は赤土区の1.3~2倍と高い生長率を示した。この期間の平均気温は29~31℃と年間で最も高く、気温と生長速度の相関が考えられた。また、両品種とも植え付け時期に関わらず、植え付け後4ヶ月以降は葉身長および葉数ともにパミスサンド区が常に高い値を示し、さらに開花・結実が早まる傾向を示した。このことから、パミスサンドはパインアップル栽培における優れた資材としての可能性が示唆された。今後は、パミスサンドを用いてパインアップルの収量や果実特性のデータを集積することで、地域農業の活性化、果実の自給率向上および農業の多様化の実践例として教育現場で活用することを目的とする。
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