2018 Fiscal Year Annual Research Report
学生実験における小仕込試験醸造の微量分析法としてのQCMセンシングシステムの改良
Project/Area Number |
18H00320
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒岩 真弓 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | QCM / 小仕込試験醸造 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大学農学部生命化学・工学専修3年生学生実験では、学生に日本国菌である黄麹菌と清酒酵母の並行複醗酵による日本酒醸造という日本古来から伝わるバイオテクノロジーにふれて欲しいという意向から試験醸造免許を取得し、小仕込試験醸造を導入している。美味しく香りの良い日本酒醸造をめざし三段仕込、重量変化と観察をもとにした温度管理、上槽後の分析を行っている。学生には特に醸造過程での科学的側面を知ってもらいたい。そのために経過過程のもろみの状態を科学的にリアルタイムで検出できる小込醸造試験における微量分析法を提案する必要がある。今回導入を検討したQCM(Quartz Crystal Microbalance)は抗原抗体反応や電極反応の吸着解離現象をリアルタイムに高感度で周波数変化として検出できる方法であり、申請者らはすでに周波数変化が物質の吸着現象のみならず、密度・粘度の物性変化がQCMの周波数変化に影響を及ぼすこと、電気的等価回路解析を行うことで密度・粘度変化がそれぞれ異なるパラメータで検出可能なことを理論的に示している。 本研究の目的は、香りや旨み等に関係する酸度やアミノ酸度、有機酸の濃度めやすとしての誘電率をリアルタイムで測定する微量分析法としてのQCMシステム構築を目指し遂行した。そのために、京都と東広島の日本酒醸造蔵元にて実際の醸造について情報収集、東広島の酒類総合研究所にて情報収集を行った。これらの情報を基にして、導電率の温度特性自動計測システムの構築、ネットワークアナライザを用いたQCM自動計測システムについてさらなる検討を行った。その中で、導電性と誘電性についても考慮し検討する必要があることが示唆された。一方では、上槽後の日本酒分析についての最新情報を得ることが出来、導入を検討できた。
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