2018 Fiscal Year Annual Research Report
環境の差異が鶏の砂浴び様行動へ与える影響 : アニマルウェルフェアからの考察
Project/Area Number |
18H00330
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
諸木 裕子 東京女子大学, 現代教養学部, 研究員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 砂浴び様行動 / 足刺激 / 鶏 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 環境の差異、中でも足元の刺激が鶏の砂浴び様行動に与える影響について検討した。 方法 10ケージ(各1羽)の鶏を供試とし、足刺激用に5羽、コントロール用に5羽とした。足刺激として3種類の床材(人工芝、すのこ、ネット)を各々ケージ床に敷き、コントロールは通常のケージ床とした。実験は2日間足刺激、2日間コントロールの各4日間ずつ行った。行動観察はビデオ撮影による行動サンプリング法を用いて行い、観察項目は、砂浴び様行動を行った鶏の数、砂浴び様行動の回数、砂浴び様行動の総持続時間、bill rakingの回数、ground scratchingの回数とした。 結果 人工芝をケージ床に敷いた場合は、コントロールと比較して、ground scratchingの回数が有意に増加し(P<0.05)、bill rakingの回数も増加傾向がみられた。すのこを設置した場合、コントロールとの差は認められなかった。ネットを設置した場合は、砂浴び様行動を行った鶏の数および砂浴び様行動の総持続時間が有意に増加し(共にP<0.05)、ground scratchingの回数もコントロールと比較して増加傾向がみられた。その他項目では違いは認められなかった。 考察 本研究結果から砂浴び様行動は、足元の環境の差異に影響を受け、人工芝やネットを床に敷くことで増加することが示唆された。現状では、砂浴び様行動自体を対象とした研究は少なく、その行動対する評価は研究者間で一致していない。砂浴び様行動を理解する目的でその行動に影響を与える研究データを蓄積することは、鶏の飼養環境、アニマルウェルフェアの評価の面からも重要と考えられる。
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Research Products
(2 results)