2018 Fiscal Year Annual Research Report
美白剤の安全性評価のための新規スクリーニング実験系の確立
Project/Area Number |
18H00339
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
黄倉 真恵 札幌医科大学, 皮膚科学講座, 研究補助員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | 美白剤評価 / 活性酸素 / 細胞増殖障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年にロドデノール含有化粧品が一部の使用者に不可逆的な白斑を生じ、社会問題となったことは記憶に新しい。化粧品発売前に毒性を見つけられなかったのは既存の毒性評価系が不十分である可能性がある。本研究は、美白剤の安全性評価のための新しいスクリーニング系を確立することを目的にした。メラニン合成能が異なるヒトメラノーマ細胞株に種々の美白剤を作用させ、細胞増殖能、アポトーシス、活性酸素産生能を解析した。 結果、①アスコルビン酸はメラニン合成能が高いSK-me1-23, M418, B16F1に細胞障害を示したのに対し、アルブチンはいずれの細胞に対しても細胞障害を示さなかった。一方、ロドデノール、レスベラトロール、ハイドロキノンモノベンチルエーテル(MBEH)は全ての細胞に細胞障害反応を示し、レスベラトロール、MBEHはSK-me1-24, SK-me1-23, M418の順にだんだん強い細胞障害を起こした。②細胞周期・アポトーシス解析では、細胞増殖障害で得られた結果と同様、細胞障害が強く表れる細胞でアポトーシスに相当するsub G1相の増加が観測された。③活性酸素産生能の解析では、アルブチンはすべての細胞に活性酸素産生を誘導しなかったのに対し、ロドデノール、MBEH、レスベラトロールはメラニン含有量の多い細胞(SK-me1-23とM418)で活性酸素を多く産生した。 以上の結果から、美白剤による活性酸素生成と細胞障害はメラニン量の多い細胞やチロシナーゼ活性の高い細胞でより顕著であることがわかった。このことから、美白剤の安全性評価には複数の細胞を用いた解析が必要と考えた。さらに細胞障害性の評価項目に活性酸素生成能を加える必要性があるとの結論に至った。
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Research Products
(1 results)