2018 Fiscal Year Annual Research Report
生徒主体の身近な藻類を活用した放射性物質回収の基礎的研究
Project/Area Number |
18H00347
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Research Institution | 福島成蹊高等学校 |
Principal Investigator |
山本 剛 福島成蹊高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2018
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Keywords | ミカヅキモ / ストロンチウムイオン / 赤色光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 生徒たちに様々な色のLEDライトを用いて, ミカヅキモ(Closterium moniliferum, Closterium lunula)が塩化ストロンチウム水溶液中のストロンチウムイオンをより効果的に吸収する条件を明らかにする。特に, 光の波長とミカヅキモ1細胞当たりのストロンチウム吸収量の関係を明らかにする。この結果に基づき, 福島で起きた原発事故後の放射性物質の除染活動を, 生徒たちが採集し, 培養したミカヅキモを利用し, 実現できるかどうか検討する。また, アミミドロ(Hydrodictyon)についても元素分析により, 塩化ストロンチウム水溶液中のストロンチウムイオンを吸収することが明らかとなったので, 他の藻類についてもよりストロンチウムイオンを吸収する条件を究明する。実際の汚染水や汚泥中には放射性セシウムのような他の金属イオンも存在するので, 他の金属イオンが共存する中でも選択的にストロンチウムイオンを吸収するかどうか, また, より効果的な吸収条件についてもデータ収集を実施する。 研究方法は, 一定量のミカヅキモ又はアミミドロが投入された塩化ストロンチウム水溶液中のストロンチウムイオン濃度をPC指示薬を用いて吸光光度法により, 投入後から様々な色のLEDライトを当てながら, 24時間ごとに72時間測定。ストロンチウムイオン濃度と吸光度の関係を表す検量線よりストロンチウムイオン濃度を求め, 投入前の値と比較し, ミカヅキモやアミミドロのストロンチウムイオンの吸収量を求めた。 研究成果としては, ミカヅキモの場合, 赤色のLEDライト(波長640nm)を照射したサンプルが1細胞当たりの吸収量が最大となり, Closterium moniliferumよりもClosterium lunulaの方が1細胞当たりの吸収量が多いことが明らかとなった。また, 光量子量を変化させることで, さらに吸収量を高められる可能性が高まった。アミミドロについては, 白色のLEDライトが効果的であった。採集したアクチノテニウム(Actinotaenium turgidum)も電子顕微鏡観察により, ストロンチウムを吸収していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)